研究課題/領域番号 |
20K13831
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 別府大学 |
研究代表者 |
高松 伸枝 別府大学, 食物栄養科学部, 教授 (90331876)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 食物アレルギー / 対応給食 / アレルゲン / アクシデント / インシデント / 学校給食 / 保育所給食 / 魚アレルギー / ELISA法 / コンタミネーション |
研究開始時の研究の概要 |
小児食物アレルギーは増加し10万人以上の成長期の児の食生活に影響を及ぼしている.その原因食物は多岐にわたり,重症度も個別で異なる.教育施設の給食対応が年々複雑化し,施設内のインシデント・アクシデント事例が多く報告されているにもかかわらず,安全管理のエビデンスは確立されていない.今回は先行研究の成果物「学校における対応給食提供マニュアル」の実働状況及びインシデント・アクシデント事例調査からリスク分析を行い,事例原因となった食物の抗原解析,患児情報の把握と対応方法から業務改善策を講じる.これら結果を「学校における食物アレルギー対応の安全管理」としてまとめ,現場へ還元,活用を目標とする.
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研究実績の概要 |
学校の食物アレルギー対応給食におけるインシデント・アクシデントの事例分析に関して「対応給食提供マニュアル」の実働状況及びインシデント・アクシデント調査と事例原因となった食物抗原の分析と患者の重症度の関連性について検討した.まず,大分県地域保健協議会の「大分県版学校・幼稚園における食物アレルギー対応の手引き」の改定を行った.次に,その実働状況とインシデント・アクシデント調査を行った.最も多かったのは「配膳の取り違え」であり,発生後はインシデントで収束したか,無処置で回復していた.対応に苦慮する事柄は「食物アレルギー児の集団生活内での行動管理」であった.午前中の牛乳提供時のトラブル,昼食や間食時に患児が他の園児の食物を摂取するなどの事例があった.一方,原因不明,あるいは本来原因食物でなかった食物による症状誘発もあり,有事の受診体制整備が必要と考えられた.確認や複数チェックの怠り,保護者のチェックミスによる事例も少なくなかったことから,OJTやOff-JTの定期的実施やミスサポート体制,保護者の負担軽減が望まれた.さらに,食品種が多彩であり対応給食で苦慮する魚アレルギーの摂取状況について横断的研究を行った.専門病院に受診する患者では,「症状あり」と回答した魚種はサケ,タラ,タイが多く,ツナ缶詰などの加工品は「症状なし」の回答頻度が高かった.数量化Ⅲ類による魚種間の関連性や原因魚数別の魚種内訳を検討したが,魚の系統的分類や筋肉の色,原因魚の傾向はみられず,総務省調査の魚類摂取量と発症頻度とはパラレルではなかった.また,加工品は「水さらし」操作によるパルブアルブミンの溶出や加圧加熱殺菌処理による症状減弱の可能性が示唆された.患者から詳細な問診をとり,摂取可能な魚種を提供することが必要と考えられた.
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