研究課題/領域番号 |
20K13834
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 埼玉県産業技術総合センター |
研究代表者 |
成澤 朋之 埼玉県産業技術総合センター, 食品プロジェクト担当_北部, 主任 (60642676)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 小麦 / 酵素 / 揮発性成分 / アイソザイム / 風味形成 / MSイメージング / 水溶性成分網羅解析 / 生地調製 / 脂質分析 / LC/MS / 酸化酵素 / 抗酸化物質 / 過酸化脂肪酸 / カロテノイド / ビタミンE / 酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,この麺製品の風味形成メカニズムを解明することを目的とする。揮発性成分生成促進の側面から,小麦由来LOXの添加による揮発性成分の生成メカニズムやその揮発性成分生成への影響を確認する。一方,反応抑制の側面から,小麦粉に含まれるカロテノイドやビタミンEの麺生地熟成時の消費量やそれらの分解物の蓄積を確認するとともに,これらの添加による抑制効果などについて検討を行う。またこのメカニズムを揮発性成分の生成・抑制のバランス調整による麺製品の風味制御技術へと応用する。
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研究成果の概要 |
麺製品の風味形成に影響するリポキシゲナーゼ(LOX)の挙動の把握とその制御方法の検討のため、小麦粉中のアイソザイム組成と小麦粉生地から生成する揮発性成分の品種間差を解析した。その結果、農林61号では過酸化脂肪酸の中で不飽和アルデヒド類が生成しやすい9-過酸化脂肪酸を生成するLOX-3の割合が高いことが分かった。このことから麺にした際の特徴的な風味へ大きな影響を与えていると考えられた。一方、カロテノイドは揮発性成分生成に抑制的に働くことが知られており、酵素に特徴がある品種とカロテノイドの多い品種とをブレンドすることで、風味の制御が可能ではないかと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
以前の研究から、国産小麦を使用した麺製品の独特な風味は、リポキシゲナーゼ(LOX)活性の高さに起因する脂肪酸酸化分解生成物であるアルデヒド類によるものであることが分かっていた。本研究成果により、このLOXのアイソザイム組成が揮発性成分生成に影響を及ぼすことが判明し、特に農林61号ではLOX活性が高いだけでなく、特異なアイソザイム組成によって独特な風味が形成されたものと考えられた。これらの結果は、様々な小麦粉加工品の開発において、狙った風味を有する製品デザインのための有用な指針を与えるだけでなく、今後、遺伝学的見地から多様な風味を有する小麦品種の開発を促進することが期待される。
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