研究課題/領域番号 |
20K13839
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
山田 真由美 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40795126)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 期待される人間像 / 中央教育審議会 / 第19特別委員会 / 内藤誉三郎 / 森戸辰男 / 高坂正顕 / 教育における天皇の問題 / 宗教的情操 / 「期待される人間像」 / 「新日本建設国民運動要領」 / 「国民実践要領」 / 道徳教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、今日につながる戦後の道徳教育政策が「どのような思想的背景のもとで策定されてきたか」を明らかにするために、1966(昭和41)年に中央教育審議会が発表した「期待される人間像」に着目する。具体的に検討するのは、京都学派の哲学者である高坂正顕が執筆した「第一次草案」の内容とそれをめぐる審議の過程である。高坂の人間観を起点に「期待される人間像」をあらためて読み解くことで、戦後の道徳教育政策が人間をどのようなものとしてとらえ、いかなる人間像を目指してきたかの一端を明らかにすることを目指す。
|
研究実績の概要 |
中央教育審議会第19特別委員会の第14回から第17回までの審議の速記録を精査し、主査によって執筆された第一次草案が、中間草案の形式にまとめられ一般に公開されるまでの審議の経緯を明らかにした。 おおまかに明らかになったのは次の点である。 1)主査が「道徳の根本原理」とした「愛」に関する記述について、審議の結果、その全文が象徴への敬愛に関する文章に差し替えられたこと、およびその経緯。 2)教育勅語のように「具体的でよくわかる」徳目の列挙を強く求める意見があったが、委員の合意により主査草案の形式が採用されたこと。 3)期待される人間像の対象を日本国民の全体とするか、あるいは後期中等教育に直接にかかわる者に限定するかという点につき、諮問の解釈をめぐって激しい意見の対立がみられたが、結局結論が出なかったこと。 4)上の点に関連して、附記の取扱いをはじめ、第20委員会との役割分担をめぐって議論が混戦する場面が繰り返し確認されたこと。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
やむを得ない事由により2022年8月17日から2023年3月31日にかけて研究を休止したため
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、引き続き審議の速記録をもとに、中間草案が発表された以降の審議の経過をたどるとともに、審議を牽引した哲学者・教育学者の高坂正顕、平塚益徳、天野貞祐、森戸辰男らそれぞれの具体的な思想(教育論・道徳教育論)に踏み込んで検討する。その際、特にそれぞれの委員における「道徳の根本原理」をめぐる思想を跡付ける。 また、あわせて内藤誉三郎や松下幸之助、出光佐三、久留島秀三郎など特徴的な発言を繰り返した委員にも着目し、彼らの発言の背後にある立場や思想についても検討したい。
|