研究課題/領域番号 |
20K13844
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
広瀬 悠三 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (50739852)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 世界市民 / 地理 / 空間 / 信頼 / 人間関係 / 世界市民的教育 / 人間形成 / オルタナティブ教育 / 旅 / ケイパビリティ / 宇宙 / ヌスバウム / 地理的信頼 / 地理的空間 / 場所 / 植物 |
研究開始時の研究の概要 |
環境問題やテロ・戦争など、国境を越えた危機的状況に対峙するためには、地域的多様性を保持しつつその地域の限定を超えた、世界市民的教育の解明と構築が急務である。しかし世界市民的教育は、普遍性か特殊性かという二項対立的な前提から研究が進められ、両者を内包する実践の構築もなされていない。それに対して、本研究は、世界がそもそも空間と場所を前提にしているところに注目し、空間と場所自体が静的ではなく動的なダイナミズムに満ちており、そこでの空間・場所の変容自体の考察を通して、人間同士の関係、また人間と動物・植物・事物との関係を、複層性を備えた信頼と共生と捉えて、世界市民的教育の核心的契機として打ち出す。
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研究成果の概要 |
世界市民的教育は、普遍的価値や人権といったものを教える教育と同一視される傾向が以前強い状況に対して、本研究では、地理的な具体的かつ豊潤な空間こそが、世界を体得する上で不可欠な基盤になることを明らかにした。とりわけ、人間関係の要に位置づけられる、信頼が、個別的な人間の性格や性質に根ざしているのではなく、人間がこの世界で行動する空間的な営みへの期待と信仰によって成り立っていることを明らかにすることで、世界市民的教育・人間形成における空間の基盤的特質を明らかにすることができた。 世界市民的教育は、さらに新たな対話や批判的思考といった視座から問い直されることがあるが、それらの基盤が空間なのである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球環境問題や戦争といった、国境を超えた問題に対処する教育を考えるにあたり、世界市民的教育は、極めて重要な意義を有している。しかしながら、世界市民的教育は、(1)西洋中心主義的な普遍的教育、(2)新自由主義的な資本主義に加担するグローバル教育、として批判に晒され、その内実や意義が十分に検討されていないという現状にある。このような状況において、世界市民的教育の理論的内実を十分に解明することが不可欠となる。本研究では、空間というものの重要さを解明することを通して、上記の2つの批判のいずれにもあたらない世界市民的教育の意義を明らかにし、より実行力のある実践を提起する基盤を構築した。
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