本研究では、①学習改善としての評価の機能の起源とその後の展開について、国内外の議論を踏まえて再整理することをとおして、学習評価固有の意義や目的を明らかにする。さらに、②学習評価の方法がスタンダード準拠化する中で、個々の学習者の意思や発達のペースや学習特性を考慮に入れることなく、スタンダードへの到達を一様にせまるようなフィードバックになりがちであるという今日的課題を克服し、個々の子どもに応じた学習評価の方法を明らかにする。その際、英国のG・ヒューズの提唱するipsative assessment、および、米国のC・A・トムリンソンの提唱する「一人ひとりをいかす評価」論を中心とした調査を行う。
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