研究課題/領域番号 |
20K13849
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 京都教育大学 (2021-2022) 盛岡大学 (2020) |
研究代表者 |
福嶋 祐貴 京都教育大学, 大学院連合教職実践研究科, 講師 (10826100)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 協同的な学習 / 協同学習 / 協調学習 / カリキュラム / 学級経営 / 文化-歴史的アプローチ / 協働的な学習 / 個別最適な学び / 人工物 / 教育目標 / 授業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、個人の学びに焦点化してきた従来のカリキュラム論および教育目標論のパラダイムを転換させ、協働的な学習とその評価の質を高めるカリキュラムの在り方を明らかにするとともに、形式的・技術主義的な「授業のスタンダード化」を乗り越える実践指針を発信することにある。具体的には次の2点に取り組む。①カリキュラム論のレベルで協働的な学習の原理的構造を検討し、実質的な実践指針を導き出すこと。②実践現場においてデザイン・リサーチを行い、協働的な学習の質を高めるカリキュラムと授業の在り方を明らかにすること。
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研究成果の概要 |
協働的な学習とその評価の質を高め、実質的なものとするためのカリキュラムの在り方に関わって、次の4点が示唆された。第一に、協働的な学習を全体論的な枠組みにおいてとらえ、人工物を巻き込んだ集団・共同体のレベルにおいて質を高めていく必要がある。第二に、協働的な学習を組織的な視点から考えるのは一面的であり、教育目的・目標・内容とのかかわりにおいて講じるのが適切である。第三に、協働的な学習を支える日々の学級経営は、学級の人間関係や組織だけでなく、物的環境を文化-歴史的に発展させていくことを含めなけれはならない。第四に、協働的な学習は「個別最適な学び」との互恵的な連関においてより豊かになっていく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2017年・2018年に改訂された学習指導要領のもとで、協働的な学習がいっそう重視されるようになった。しかし、授業展開の形式化を図る動向も相まって、教師が主体的に意思決定して協働的な学習を実践することができず、小手先の指導技術を追求する傾向も生じている。こうした事態に対して、本研究成果は、従来の協働的な学習の研究パラダイムに一石を投じるとともに、協働的な学習とその評価の質を高めるカリキュラムの在り方に具体的な示唆をもたらし、教師による実質的で主体的な意思決定を喚起する実践指針を発信するものである。
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