研究課題/領域番号 |
20K13853
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
宮本 英征 玉川大学, 教育学部, 准教授 (10825293)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 問いの構築学習 / 駆動問題 / 駆動の論理とモデル図 / PCDAサイクル / 形成的評価 / 歴史探究学習 / 探究学習 / 駆動性 ( driving) / 言説分析 / 歴史総合 / 世界史探究 / ラーニング・プログレッションズ / 歴史教育 / 質的研究 / 歴史授業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,クレイチェックらが科学教育で研究を進めているラーニング・プログレッションズ(LPs)研究を応用する。LPs研究は「自発的概念変化」に関する認知発達研究と「教授にもとづく概念変化」に関する教育研究を結びつけ,学習者の科学的な概念変化や思考の深まりを促すものであり,それが段階的複線的な探究過程となることを明らかにした。本研究の目的は,LPs研究の成果を踏まえ,探究過程を重視した授業づくりが求められている歴史教育において,歴史授業における知識・資質の段階的複線的な探究過程をモデル化し,単元開発やカリキュラム開発及び授業実践に貢献することである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,ラーニング・プログレッションズ研究(LPs)を歴史教育に応用することで,歴史授業における知識・資質の段階的複線的な探究過程をモデル化し,学習論を視点とする新しい歴史探究学習を提起することにある。そのため,初年度は知識・資質を段階的向上的に探究する歴史単元を開発・実践し,次年度は生徒の複線的な探究過程を調査する。そして,最終年度は歴史単元における探究過程をモデル化し,探究構造として提示するように計画した。そこで,令和5年度には,これまでの研究で明らかにした新しい歴史探究学習である問いの構築学習とその探究構造の論理が,生徒の実際の探究過程としてモデル化できるかどうかについて検討した。そして,生徒の探究過程を把握し評価付けるために形成的評価の在り方の実践可能性を探った。また,これまで開発・実践し改善してきた歴史単元の効果性を高等学校で再度調査した。さらに,新しい世界史探究単元として「あなたは第一次世界大戦に対してどのように行動するだろうか」と「冷戦を考える」を研究協力者とともに開発・実践し,生徒の探究過程を検討した。その結果,次のように研究を遂行することができた。 (1)問いの構築学習とその探究の論理である「駆動」は,駆動問題と駆動問題によって構成される教育内容,学習活動,教材の段階的構成を踏まえる。また,「駆動」の道筋は個別的複線的であり,学習者の学習内容の達成度も変化することをモデル図にして明らかにした。 (2)生徒の探究過程を把握し評価付けるために学習指導要領で重視されているPCDAサイクルに基づく形成的評価の在り方の実践可能性を探った。特に,授業における生徒のつまずきを評価規準で把握し,改善する方法を個別的具体的に検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の流行のため、学会や授業研究会に参加することが十分にできなかった。そのため、研究成果を報告し、研究者・実践者からの多様な意見を反映することができなかった。また、高等学校における探究学習についての調査の機会や開発した授業を実践し検討する機会が不足した。そのため、歴史探究学習の探究の論理である「駆動」のモデル化の検証が不十分であった。
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今後の研究の推進方策 |
①7月の日本カリキュラム学会や10月の日本教科教育学会や全国社会科教育学会などに参加し、調査研究を進めると共に、2月の社会系教科教育学会で研究成果を発表する。②10月や12月に行われる公開授業研究会に参加し、研究の実践性を高める。③12月までに、問いの構築学習を研究協力者の高等学校で実践し、研究データを蓄積する。そして、授業の効果を検証する。④12月以降、単元開発・授業実践を踏まえ、歴史教育における探究の論理を解明しモデル化する。⑤報告書を作成し、研究成果を公開する。
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