研究課題/領域番号 |
20K13855
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
田村 恵美 東京家政大学, 家政学部, 講師 (30847950)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 授業研究 / 授業分析 / 重松鷹泰 / 科学性 / 奈良プラン / 教育方法学 / カリキュラム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、教育における「科学性」を解明することである。そのために、本研究では日本独自の授業研究の手法を開発した名古屋大学名誉教授の重松鷹泰(1908-1995)に着目する。重松の理論、教育や研究における業績の分析を中心に授業研究の観点から教育における「科学性」を検討し、国・学校現場・クラスという層で分断して議論されがちなカリキュラムの階層性を乗り越えつつ、教育学および教育方法学史に新たな理論的・実践的なインプリケーションを示す。
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研究実績の概要 |
本研究は、教育における「科学性」を解明することを目的としている。この目的を果たすために、日本独自の授業研究の手法を開発した名古屋大学名誉教授の重松鷹泰(1908-1995)に着目し、その授業研究の生起と展開を歴史的に研究している。 そこで本研究では、3つの学術的「問い」として(1)重松の授業研究の手法はどのような原理のもとで形成されたのか、(2)授業研究を生かして編成されたカリキュラムはどのようなものか、(3)授業研究の系譜において科学性の捉え方はどのように異なるのか、を設定している。 2023年度には、2つ目の問いである(2)授業研究を生かして編成されたカリキュラムはどのようなものか、を明らかにするために、奈良女子高等師範学校附属小学校のカリキュラム案や構造を検討した。前年度までにおこなってきた資料蒐集・分析により、上記の問いを明らかにするためには、当該校の教師である青木と倉富の教育思想や実践に注目する必要性が生じた。このことから、国立国会図書館をはじめ各種データベースを活用して、彼らの実践が創出される背景に関する調査を行った。具体的には、雑誌『学習研究』や『教育技術』、『青年心理』などに所収されている論考を収集し、読み込む作業を進めた。これらの明らかになった史実について、国内の研究会にて発表をおこなうことにより、教育方法学やカリキュラムを専門としている研究者から助言が得られ、研究の指針がさらに明確化された。次年度以降もこれらの論考や文献を探し、調査をおこなってゆく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度から2023年度にかけて産前産後の休暇および育児休業の取得のために研究が中断した。また、復職後は育児のための「所定外労働の免除」制度を利用したことにより、出張が制限され、地方への資料収集や学会に参加することができず、予定よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
産前産後の休暇および育児休業の取得のために研究が中断したことや復職後の出張の制限などにともない、2023年度に予定していた研究計画の大半を次年度以降におこなう。今後は、授業研究を生かして編成されたカリキュラムはどのようなものかという問いに関して、論文化を目指している。奈良女子高等師範学校附属小学校のカリキュラム案や構造について、重松や現場教師の思想や実践についての読解を進めることで、研究を進めてゆく。さらに、戦後初期の教育方法学史の文脈に位置付けていくことを試みる。
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