研究課題/領域番号 |
20K13861
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 千里金蘭大学 |
研究代表者 |
本宮 裕示郎 千里金蘭大学, 生活科学部, 講師 (30823116)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 教養 / 自由教育 / 19世紀イギリス / 科学 / T. H. ハクスリー / 文学 / M. アーノルド / 自由教育論争 / 教養概念 / 道徳 / 19世紀 / イギリス / 知性 / 道徳性 / 科学教育 / 文学教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、19世紀イギリスで生じた自由教育論争を再整理し、論争の意義を明らかにすることである。19世紀の半ばから末にかけて、従来エリート教育とみなされてきた自由教育の教育内容や自由教育自体の定義をめぐって論争が生じた。この論争は自由教育論争と呼ばれ、J.H.ニューマンやJ.S.ミル、H.シジウィックなど、当時を代表する知識人が、それぞれに新たな自由教育論を展開した。そこで、19世紀当時の社会状況・文脈や自由教育の歴史的な変遷と結びつけて、各論者の自由教育論をカリキュラム・レベルで整理し直すことによって、自由教育論争を立体的かつ構造的にとらえることを目指す。
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研究成果の概要 |
T. H. ハクスリーとM. アーノルドはともに、古代ギリシャの精神を19世紀イギリスに取り戻すことで、人文主義的な教育に矮小化されていた自由教育を人間主義的な教育へと改革していたこと、そして、その改革を実現するために、真実への追求を介して知性と道徳性をともに涵養する知の体系として教養概念をとらえていたことを明らかにした。加えて、ハクスリーが、人間関係における社会的・関係的な道徳性を求めていたのに対して、アーノルドは、自己の内面に目を向ける個人的・内省的な道徳性を求めていたという差異が、教養概念の背後にある両者の人間観の違いによって生じていたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自由教育の思想史において、ハクスリーは、プラトンから連なり知の追求に価値を置く「哲学者」の系譜、アーノルドは、イソクラテスから連なり知の表現に価値を置く「弁論家」の系譜という対立する立場にそれぞれ位置づけられてきた。本研究での検討によって、両者ともに、知の追求と知の表現のどちらか一方を選択していたのではなく、真実を介して、知の追求と知の表現を両立させる論理を組み立てようとしていたのであり、両者はまさに「哲学者」の系譜と「弁論家」の系譜を架橋する位置にいたこと、さらには、その架橋を可能にするものこそ、知の体系として知性と道徳性をともに涵養する教養概念であったことが明らかにした。
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