研究課題/領域番号 |
20K13873
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
早川 知宏 島根大学, 学術研究院教育学系, 助教 (40868238)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 規律指導 / 学級活動 / インクルーシブ教育 / 特別活動 / キャリア教育 / ドイツ教育学 / 規律 |
研究開始時の研究の概要 |
ドイツにおいては、戦後、教育実践においてナチズムの連想から規律(Disziplin)という用語は忌避されていた。しかし規律の忌避によって、授業妨害が深刻化していることを問題視したブエブ(Bueb, B)は、罰則によって子どもを統制する管理的な規律論を提起し論争が起こった。この論争後、規律の指導は、授業のルールの合意形成やインクルーシブ教育の視点に基づいて誰も排除しない指導の探求へとシフトしてきている。本研究は、ドイツの理論と実践の動向を整理しながら、多様な発達上の背景を持つ子どものニーズに応答するインクルーシブ教育時代の中で、どのように規律の指導を構想し、実践するかを明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
本研究の成果は大きく二つある。一つには、ドイツを手がかりに、管理主義教育や子どもを抑圧することなど、ネガティブに語られることもある規律指導を、子どものニーズに応じて学校や学級を変革することを提起しているインクルーシブ教育の視点からとらえ直したこと、もう一つは、その指導方法が生徒会活動や学級会活動の中で行われており、学級や学校での共同決定を前提にした規律指導が行われることを明らかにしたことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
規律という用語は、管理や抑圧といった否定的なイメージが想起されることもあるが、現在のドイツにおけるインクルーシブ教育に基づく規律指導の議論を研究すると、生徒会活動や学級会を通して、子どもたちが司会をしながら、学級や学校のルールやきまりを共同決定しており、教師の指導としては、その活動を支援する重要性が提起されていることが明らかとなった。ドイツの動向を手がかりに、子どものニーズに応答することで学校や学級の標準を子どもの視点から問い直す必要性を示すことができたことは本研究の学術的意義であり社会的意義であると考える。
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