研究課題/領域番号 |
20K13883
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
板橋 雅則 明治学院大学, 文学部, 准教授 (20755706)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 道徳教育 / 奈良プラン / なかよし / 奈良女子大学文学部附属小学校 / 道徳の指導資料 / 道徳教育指導者講習会 / 道徳の時間 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1950年代および1960年代における奈良女子大学文学部附属小学校の独自カリキュラム「奈良プラン」のひとつ、「なかよし」実践における道徳教育の指導に着目し、この理論・実践の両面にわたる形成過程と実践上の特質を解明することを目的とする。 この目的を達成するために、同時期の道徳教育関連図書や教育雑誌、同校の校内史料の収集・分析、当時の教育実践に関わった方々を対象とした聞き取り調査を実施する。
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研究実績の概要 |
この研究課題は、1950 年代および 1960 年代における奈良女子大学文学部附属小学校(以下、附小)の独自カリキュラム「奈良プラン」 の「なかよし」実践に着目し、この理論・実践の両面にわたる形成過程と実践上の特質を解明することを目的としている。 令和5年度では、附小で「なかよし」実践が展開されていた1950年代における文部省道徳教育政策に着目し、当時の時代背景の考察を試みた。具体的には、奈良県で開催された文部省主催の道徳教育指導者講習会を手がかりとして、「道徳の時間」特設直後における小学校の道徳教育実践の課題の解明を試みた。まず、「道徳の時間」特設直後における道徳教育実践について、先行研究の到達点と限界を明らかにした。次に、教育雑誌『奈良県教育』を手がかりとして、奈良県で開催された道徳教育指導者講習会の概要を示した。つづけて、講習会における講師と受講者との間で行われた質疑応答の内容を取り上げ、指導方法と指導計画にわけて検討した。最後に、「道徳の時間」特設直後における小学校の道徳教育実践の課題として、次の2点を明らかにした。すなわち、「道徳の時間」と他の教科・領域との関連の曖昧性、「道徳指導」と「生徒指導」との関連の曖昧性、の2点である。これらの研究成果は、教育実践学会第31回大会で研究発表を行うとともに、学術論文にて公表した。 また、令和5年度において、奈良県内における道徳教育関連史料の調査を実施した。この調査により、1950 年代および 1960 年代における奈良県内の道徳教育実践に関連する史料を収集することができた。これらの史料の検討を通して、今後は、附小の「なかよし」実践と対比させながら、奈良県内における道徳教育実践の実態の解明を試み、これらの特質を明らかにする計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献調査に関しては、道徳教育に関する附小刊行物の収集が完了し、奈良県立図書情報館での史料収集も順調に進展している。 しかし、「なかよし」実践に関するインタビュー調査が難航している。これらの状況を総合的に勘案し、現在までの進捗状況は「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
附小関連史料として、引き続き同校機関誌『学習研究』の収集を進める。また、1950 年代および1960 年代の奈良県内における道徳教育実践関連史料を引き続き幅広く入手する予定である。難航している「なかよし」実践に関するインタビュー調査であるが、対象者を選定できなかった場合、令和6年度においては、実践に関する史料収集を重点的に行うなど、研究計画の変更も視野に入れ、研究を遂行していく。
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