研究課題/領域番号 |
20K13896
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
荻巣 崇世 上智大学, 総合グローバル学部, 助教 (00743775)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 教員養成 / カンボジア / 質問紙 / 授業研究 / 国際開発学会 / 高度化 / 教員制度改革 / 新型コロナウイルス感染症 / PLC |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2年制から4年制への教員養成の高度化をおこなっているカンボジアにおいて、新旧の養成機関に在籍する学生を追跡することにより、学生の視点から高度化の実態を解明するとともに、「学び続ける教師」の育成に対する高度化のインパクトを実証的に明らかにすることを目的とする。具体的には、教員養成機関の学生の養成段階から初任期における経験や意識形成をふまえて、カンボジアの教員養成の高度化が「学び続ける教師」の育成に対してどのような影響を及ぼしているのか、という研究課題を設定し探究していく。
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研究実績の概要 |
本研究は、世界標準の教員養成の実現と「学び続ける教師」の育成を目指して、2018年より従来の2年制の師範学校から4年制の大学学部レベルへと教員養成を高 度化する改革を行なっているカンボジアにおいて、新旧の養成機関に在籍する学生を追跡することにより、学生の視点から高度化の実態を解明するとともに、 「学び続ける教師」の育成に対する高度化のインパクトを実証的に明らかにすることを目的としている。2023年度は、前年度実施した質問紙調査を受けて、結果の分析およびインタビューによる追跡調査を中心としたデータ収集を実施することを予定していた。2023年3月から4月にかけて実施した質問紙調査では、250名以上の学生から回答を得ることができ、年度の前半に結果の分析および質問紙調査の結果をさらに追跡するためのインタビュー質問項目作成を実施した。9月にはカンボジアに渡航し、プノンペン、バッタンバンの両教員養成大学の学長・副学長及び実務レベルでの研究協力者と直接面会した上で、卒業生(すでに教員として働き始めた元学生)に対し、授業参観およびインタビューを2名ずつ実施することができた。また、2024年1月末に再度渡航し、タケオ州とシェムリアップ州において教員養成校出身者の授業参観およびインタビューを1名ずつ実施できた。一方、当初予定していた第二回質問紙調査については、国政選挙後、教育大臣の研究活動許可書の更新が滞っており、年度末までに実施することができなかった。関係者の協力を得て、研究活動許可書が更新され次第、オンラインで二回目の質問紙調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画では、2023年度は追跡のためのインタビューに加え、第二回の質問紙調査を実施する予定であったが、2023年7月23日に実施された国政選挙後、教育大臣の研究活動許可書の更新が滞り、予定していた質問紙調査が実施できない状況になっている。第二回は第一回よりも規模を大きくして実施する予定であることから、現地関係者の理解を得た上で実施することが望ましいことに鑑み、粘り強く研究活動許可書の更新に向けて働きかけていく必要がある。加えて、カンボジアの学校暦からは、第二回質問紙調査を2024年8月ごろまでに実施できれば本研究の遂行に対して影響を与えるものではないため、8月までに実施できるよう進める必要がある。一方、第一回質問紙調査を受けての追跡のためのインタビューについては、これまでに卒業生計6名に対して、授業参観およびインタビューを実施することができており、この点については計画通り進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、インタビューおよび授業参観の結果をふまえて、①第二ラウンドにあたる質問紙調査の実施、および②第二回質問紙調査の結果をふまえたインタビューおよび授業参観を行う予定である。 ①について、具体的には、8月までに第二回の質問紙調査の回収を終え、回答の入力および分析を、現地協力者の協力を得て12月末までに実施し、教員養成大学の学生がどのような教師像・教職観を持ち、教職課程を通してどのような変容を経験しているのかについて、第一回のベースラインとの違いを中心に明らかにしたい。この結果は、 9月に予定している現地渡航時に、現地協力者及び政府関係者との打ち合わせにおいて発表し、現地の事情に即したフィードバックを得る予定である。また、日本教師教育学会にて、上記の成果について口頭発表を行い、アカデミックな立場からもフィードバックを得る。②については、2024年9月および2025年1月にバッタンバンおよびプノンペンでの現地調査を実施し、回答者の中から既に教壇に立っている対象者(このうち、 質問紙で参加の意思を表明した者)を訪問して聞き取り調査を行う。この際、教員養成大学の教員の協力を得て実施し、回答内容の分析においても、引き続きオンラインで協議しながら、日本とカンボジアの双方の視点からの分析を試みる。
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