研究課題/領域番号 |
20K13904
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
白川 俊之 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (40805313)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 専攻分野 / ジェンダー / STEM / 教育格差 / 親子ペア・データ / パネル調査 / 社会経済的地位 / 高等教育 / 社会階層 / 親子ペアデータ / 教育機会の格差 / 青少年 / 教育社会学 / 統計的調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2012年に高校生2年生とその母親に実施した質問紙調査を用いて、人々が高等教育を受ける機会に関わる不平等を、ジェンダーの観点から検討しようとするものである。日本においては1990年代以降、女子も高校卒業後は4年制大学への進学が定着したとはいえ、理学部や工学部では学生の7~8割が男子であり、学部・学科の選択には、ジェンダー要因が強く影響している。このような高等教育の学部・学科の選択において見られるジェンダーの不平等が、どのようなメカニズムで生じているかに関し、学力に対する生徒の自己認知や性役割についての意識、母子関係などに注目しつつ、計量的な分析を行うことが研究の中心的な課題である。
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研究成果の概要 |
「高校生と母親調査,2012」のデータを用いて、専攻分野の選択の男女格差がどのように生じているかについて、検討を行ってきた。学力に対する主観的な評価、職業に関する意識、母親のステレオタイプ的な意識などに注目し、男女間の専攻分野の選択の格差をもたらすメカニズムの一端を明らかにした成果を、複数の論文として刊行した。また、調査の方法に関する議論を行った「子どもによる社会経済的背景の報告とその妥当性――高校生と母親調査の追跡調査データを用いて」では、社会調査協会の『社会と調査』賞を獲得した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
理工系やSTEMの分野にすすむ女性が少ないことは、学術的にも政策的にも非常に注目されやすいトピックである。それにもかかわらず、本研究を開始した当時、このテーマに関する社会学の文献が、日本にはほとんどなかった。専攻分野の選択における男女間格差を生みだすメカニズムを解明するねらいで、データにもとづく実証的な分析を行い、この状況に一石を投じた本研究の意義はきわめて大きい。さらに『社会と調査』賞を受賞した論文は、子どもを対象とする調査に関わる人たちに有益な示唆を与えるものであることが評価された。以上のように、本研究の取り組みにより、調査の意義とデータ分析の重要性を示すことができた。
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