研究課題/領域番号 |
20K13909
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 和歌山大学 (2023) 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
安本 博司 和歌山大学, 日本学教育研究センター, 准教授 (20813025)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 在日コリアン / エスニシティ / 地域性(在日集住地域) / エスニックネットワーク / エスニック団体 / エスニシテイ / 地域性 / 継承 / 顕在化 / 教育戦略 / 文化伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、在日コリアンのエスニシティ継承(教育戦略や文化伝達)と自らのエスニシティの顕在/潜在化を促進・抑制する要因を、地域での経験(エスニック機関への参加と程度、被差別経験の有無など)との関連から分析を行う研究である。その際、エスニック団体に参加する若い世代を中心に考察をする。 調査では、エスニシティを顕在/潜在化させている若い世代の在日コリアンを対象にインタビュー、アンケート調査を行う。また、大阪市、特に生野区周辺の在日集住地域に限定し、過去から現在までの多文化共生の街づくりの取り組みを資料や関係者への聞き取り調査から把握し、多文化共生の街づくりにおける課題を明確にする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、在日コリアンのエスニシティ表出と継承を、エスニシティ形成と集住地域との関連から明らかにすることである。調査の結果、①在日集住地域は親自身のエスニシティ形成とは直接的な関連は見いだせず、既存の家庭内での在日ネットワークの有無がエスニシティ形成・表出に関連すること、②在日集住地域は、エスニシティ形成の場への接近可能性を高め、言語継承を可能にするための機関への「橋渡し」として機能すること、③エスニシティ継承において言語以外のエスニシティ構成要素(本名使用の期待等)は、取捨選択されていること、④学校選択は、配偶者の属性(日本人夫/妻)によって回避される傾向にあること等が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果、学術的意義は、これまで議論にあったエスニシティ形成(アイデンティティ形成)と地域性(在日集住地域)との関連において、地域性はエスニック団体への接近可能性を高めるが、エスニシティ形成自体には関連がないと示した点である。また家庭の在日ネットワークに着目し、ネットワークの有無がエスニシティ形成、エスニシティ表出に影響を与えていることを示した点である。本研究の社会的意義は、在日に限らず異なる文化的背景をもつ者が自らのエスニシティに尊厳を持ち、生きていくためのヒント、知見を提示できた点である。
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