研究課題/領域番号 |
20K13912
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
利根川 佳子 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授 (10608186)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | エチオピア / インクルーシブ教育 / 障害児教育 / アフリカ / 教育開発 / 初等教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、エチオピアを事例に、障害児の初等教育に焦点をあて、現状に見合ったインクルーシブ教育モデルを検討することである。国際的に合意されているサラマンカ宣言によると、通常学校における一元方式でのインクルーシブ教育の提供が目指されている。多くの開発途上国においては、全ての子どもたちのニーズを考慮した教育を一元方式にて通常学校で提供することは非常に困難である。本研究では、エチオピアにおける障害児に対する教育を事例として、一元方式をめざす中で起こっている状況(制度及び実践)と当事者の認識について分析を行い、開発途上国の文脈に合ったインクルーシブ教育を検討する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、障害児の初等教育に焦点をあて、エチオピアにおける「インクルーシブ教育」の実態を、当事者の観点を含めた多様な「インクルーシブ教育」として明らかにすることを目的としている。 2023年度もエチオピア国内の治安の問題からエチオピアの首都アディスアベバでの短期間の現地調査に限定された。今回の現地調査では、教育省担当官へのインタビューに加え、アディスアベバに在る聴覚障害児を対象と特別学校2校において調査を実施した。一校は今回新たに訪問した学校であり、保護者および校長へインタビューを実施し、授業観察を行った。もう一校は、継続して調査を実施している学校であり、過去に保護者へインタビューを実施していたため、今年度は同校に就学する障害児および非障害児へのインタビューを実施し、両校での当事者の「インクルーシブ教育」への認識を調査した。 調査の結果、非障害児と障害児がともに学ぶことに対して肯定的に認識しているステークホルダーが存在する一方で、特別学校に価値を置いているステークホルダー(特に保護者)は、国際的な「インクルーシブ教育」潮流によって、特別学校に非障害児が受け入れられていることに、不満および危機感を有していることがわかった。学校で障害児と非障害児がともに教育を受けることは、社会性やコミュニケーションといった非認知的能力を育むことができ肯定的な効果も大きいが、そのための準備が十分に整っていない場合には、障害児にとって障害児のみが教育を受けることができる特別学校も選択肢として必要があることを示唆した。本調査の結果は、今後学会で発表を行い、論文にまとめる予定である。2023年度の主な研究成果としては、二つの書籍で分担執筆を行った。
|