• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

移民の子どもの学習権保障に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K13924
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分09020:教育社会学関連
研究機関公益財団法人世界人権問題研究センター

研究代表者

有江 ディアナ  公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 専任研究員 (50816527)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード学習権 / 移民 / 子どもの権利条約 / スペイン / 子ども / 外国人 / 義務教育
研究開始時の研究の概要

本研究では、スペインにおける移民の子どもの学習権保障のために、義務教育段階において実施されている教育施策の問題点を明らかにした上で改善策を模索する。具体的に、法枠組み上の形式的な権利とその権利の実態の分析を各自治州の地域性や外国人構成を踏まえながら比較検討を行う。

研究実績の概要

本研究を進めていくうえで、スペインの法枠組み上、国籍及び在留資格を問わず教育についての権利が認められているはずだが、自治都市(アフリカ大陸北部にあるスペインの飛び地)において、隣国であるモロッコからの非正規外国人の子どもらは学校に通えずにいたことが明らかになった。その後、スペインも批准する子どもの権利条約の個人通報手続に関する第三選択議定書に基づき、スペインで権利を侵害された一部の個人(子ども)が条約機関に直接訴え、救済を求めた結果、条約機関である子どもの権利員会は「見解」を採択し、教育についての権利等への違反を認定したため、スペイン政府は同判断を重く受け止め、就学していなかった子どもらの学校への入学を認めたことも確認した。他方、就学年齢ではない子どもらの状況は変わっていないという状況から他の自治州に移り住んでいることやアフリカ諸国出身者を中心とする、親及び保護者の同伴がない子どもが、一人でスペインに入国する際の子どもの保護と教育の問題が浮き彫りになった。
2023年度は、上述の研究を振り返り、新たに浮き彫りになった2つの課題も踏まえながら研究を進めた。就学義務年齢を超過した非正規外国人の子どもが、家族と一緒に、あるいは親及び保護者の同伴がない場合も、他の自治州に移動した後の市民団体による言語学習支援と職業訓練の資格取得の支援を行っている実態の調査を行った。今回の調査で築いたネットワークによって、特殊な地域におけるこの支援活動の実態について2024年度は検証していく。これらとの関連で、スペインにおける学校から離学する若者らについて学会報告や論文等の執筆を行っており、外国人の子ども・若者の状況については、別途執筆中である。この他、外国人のマイノリティとしての教育についての権利を検討する論文を執筆し、また、他の地域におけるこれらの子どもの権利の状況を検証し、学会報告を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度及び2021年度は、感染症の影響に伴い現地調査は断念したが、文献調査を進め、オンライン会議等を開催することによって、物理的に現地に行くことはできなかったものの、実態の把握のためのヒアリングを進めた。2022年度より、これまでの研究と構築した現地ネットワークにより、現地調査を行い、スペインの中でも特殊な地域について、保障されているはずの学習権の実態を探り、2023年度では、見えてきた新たな課題をもとに、一部地域の関係者に状況の聞き取りをすることができた。これらの調査をもとに、学会発表や関連論文等を執筆した。
他方、文献や聞き取り調査によって、他の特殊地域における状況についての現地調査も必要であったが、2023年度は訪問時期の調整が困難だったため断念し、本科研を延長して2024年に実施する。

今後の研究の推進方策

2024年度は、引き続き文献調査を行いながら実態調査として関係者へのヒアリングや現地調査を実施する予定である。2023年の現地の聞き取り調査によって構築したネットワークによって、引き続き特殊な地域(自治州)、スペインの離島に着目して研究を進める。これらの地域(自治州)では、2割弱が外国人生徒であり、父母のどちらかが外国人である割合が3分の1~およそ半分の地域(自治州)であり、教育課題がみられる。また、学齢期のみならずその後の若者の進学・就職等の状況について、そして、アフリカ諸国からの親及び保護者の同伴がない外国人の子どもを受け入れている地域(自治州)における子どもの保護問題についても留意しながら研究を進める。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (18件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 外国人の「マイノリティ」としての教育についての権利 ― 国際人権法からの検討 ―2023

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 雑誌名

      研究紀要

      巻: 28 ページ: 63-100

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] スペインの学校教育制度と学校外教育施設「セカンド・チャンス・スクール」2023

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 雑誌名

      教育PRO

      巻: 2023年7月号 ページ: 34-35

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 子どもの権利条約の個人通報制度と子どもの権利委員会の「見解」2023

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 雑誌名

      GLOBE(世界人権問題研究センター)

      巻: 112 ページ: 12-13

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 子どもの権利条約における「第2条」差別禁止原則 ―個人通報制度の動向をもとに―2022

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 雑誌名

      研究紀要

      巻: 27 ページ: 41-90

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 子どもの権利条約における外国人の子どもの教育についての権利2021

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 雑誌名

      研究紀要

      巻: 26号 ページ: 1-38

    • NAID

      40022622390

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 国際比較から見るCOVID-19対策における教育行政の特質と課題2021

    • 著者名/発表者名
      園山大祐、辻野けんま、有江ディアナ、中丸和
    • 雑誌名

      日本教育行政学会年報

      巻: 47号 ページ: 25-45

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 海外の学校-スペインー新型コロナウイルス感染と学校2020

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 雑誌名

      季刊 教育法

      巻: 207号 ページ: 58-59

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 子どもの権利条約の個人通報制度ーある少女の教育についての権利ー2020

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 雑誌名

      GLOBE(世界人権問題研究センター)

      巻: 103号 ページ: 12-13

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] The Right to Education of Non-nationals in Asian Countries: A view from international legal framework2023

    • 著者名/発表者名
      Diana Arie
    • 学会等名
      13th Biennial Conference of the Comparative Education Society of Asia (CESA 2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] スペインのセカンド・チャンス教育の特質-学校外教育施設の教育的介入に焦点をあてて-2023

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 学会等名
      日本比較教育学会第59回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] スペインのインクルーシブ教育~国内の教育法制と障害者権利条約第24条との関係~2022

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 学会等名
      日本弁護士連合会・人権擁護委員会・障害者差別禁止法に関する特別部会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] スペインの学校教育制度における外国人生徒―教育機会の平等に焦点を当てて―2021

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 学会等名
      日本比較教育学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] スペインにおける早期離学問題に対する教育制度上の対策と限界2021

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 学会等名
      日本比較教育学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] COVID-19と教育を受ける権利―スペインの状況から―2021

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 学会等名
      国際人権法学会「COVID-19と人権」フォーラム、若手研究紹介セッション
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] スペインのセカンド・チャンス・スクールの役割-学習権保障の観点から-2020

    • 著者名/発表者名
      有江ディアナ
    • 学会等名
      イスパニヤ学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 仏西日独におけるCOVID-19への対応が映し出す義務教育の特質 教育義務/就学義務にもとづく各国の対応2020

    • 著者名/発表者名
      園山大祐、有江ディアナ、中丸和、辻野けんま
    • 学会等名
      教育行政学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] コロナ禍に世界の学校はどう向き合ったのか ―子ども・保護者・学校・教育行政に迫る―2022

    • 著者名/発表者名
      園山 大祐 ・辻野けんま編(担当:第2部2章 有江ディアナ)
    • 総ページ数
      323
    • 出版者
      東洋館出版
    • ISBN
      9784491047607
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 学校を離れる若者たち:ヨーロッパの教育政策にみる早期離学と進路保障2021

    • 著者名/発表者名
      園山 大祐 編(8章 有江ディアナ)
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      9784779515293
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi