研究課題/領域番号 |
20K13939
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 東洋大学 (2021-2022) 早稲田大学 (2020) |
研究代表者 |
宮本 雄司 東洋大学, ライフデザイン学部, 助教 (00804501)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 子どもの健全育成 / 児童遊園 / 固定遊具 / 選定・配置 / 健康福祉政策 / 社会福祉政策 |
研究開始時の研究の概要 |
幼児の戸外あそび場として公園が利用されている。日本の公園の現状では,多様な動きを経験できるジャングルジムが撤去され,ブランコや砂場のみの児童遊園が増え,画一的な幼児のあそび場となっている。 本研究では,児童遊園の設置・管理者である自治体の固定遊具の選定プロセスや維持管理の実態と課題を明らかにする。具体的には,①固定遊具の選定理由と選定決定過程,②近隣児童遊園の固定遊具との重複配置の実態,③固定遊具管理状況の詳細を明らかにする。 本研究で得られた知見をもとに,幼児期に必要な多様な動きを経験できる固定遊具の配置を実現し,児童遊園における固定遊具の種類や数の適正配置システムの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では,幼児の身近な戸外あそびの場である児童遊園に着目し,ブランコ・すべり台・ジャングルジムといった固定遊具の選定プロセスや,維持管理の実態と課題を明らかにする。そして,幼児に必要な多様な動きを経験でき,幼児の健全育成に資する児童遊園とするための,固定遊具の選定・維持管理システム構築に向けた基礎的知見を得ることを目的とした。 2020年度には,都市公園・児童遊園整備の変遷について文献研究を行い,社会のできごとや法律の制定と合わせて,社会福祉政策の視点から分析することにより,子どものあそび場としての都市公園・児童遊園の設置や運営の課題を明らかにした。 2021年度は,都市公園・児童遊園の現地調査を行い,既存の公園・児童遊園における固定遊具の配置状況の調査を行った。その結果,本来,児童遊園は,児童福祉法に基づき,地域における児童を対象とした児童厚生施設として設置されているはずであるが,実際には,大人向けの健康遊具が設置されている事例を確認した。 2022年度は,老朽化した固定遊具の実態把握とともに,老朽化した固定遊具の入れ替え更新作業を行っている公園・児童遊園の現場において,旧固定遊具の状況,撤去状況,新固定遊具設置後の状況について調査を行った。固定遊具の入れ替え時に,同じ種類の同じ形状の固定遊具を設置していた場合や,同じ種類の形状が異なる固定遊具を設置していた場合や,異なる種類の固定遊具を設置していた場合のように,設置者の方針により,子どものあそび場の環境が変化していた実態が明らかとなった。さらに,いくつかの公園・児童遊園では,インクルーシブ固定遊具が設置されており,インクルーシブ固定遊具の設置が増えている実態が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は,東京都・埼玉県・神奈川県を中心に公園・児童遊園の現地調査を実施した。自治体により,設置されている固定遊具の種類や経過年数に差がある実態を明らかにすることができた。一方で,自治体間で固定遊具の設置状況に差が生じている要因を明らかにするために,自治体の予算や公園再整備計画について調査・分析していく作業か遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,固定遊具の設置状況や,年数が経過した固定遊具の更新状況について,自治体間で差が生じる要因を明らかにするために,各自治体の予算・決算状況を確認する。さらに,公園再整備計画の有無や計画の内容について調査・分析することにより,自治体の児童遊園における固定遊具の入れ替え更新の方針や,固定遊具の選定と管理のプロセスについて総合的に検討していく予定である。
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