研究課題/領域番号 |
20K13941
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
橋本 かほる 京都先端科学大学, 健康医療学部, 教授 (10748619)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 発達の気になる子ども / 育児ストレス / 保護者支援 / 育児支援 / 親のストレス |
研究開始時の研究の概要 |
保育所入所の低年齢化が進むなか、発達の気になる子どもの数が増えている。発達の気になる子どもをもつ親は育児になにかしら困難さを抱えているが、不安なまま子育てをしている。 福井市では、特別な配慮が必要なこどもへの支援を強化していくため、障がい児健全育成事業の一つとして親子療育教室の研究を進め、発達の気になる子どもへの支援方法について効果を上げている。 その一方で、発達の気になるこどもをもつ親へのアセスメントに基づいた育児支援プログラムの開発が課題である。親自身がどのような不安を抱え、育児をしているのかを明らかにすることで、より早期からの質の高い育児支援と専門療育機関との連携が図れる。
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研究実績の概要 |
保育所入所の低年齢化が進むなか、こだわりが強い、コミュニケーションが苦手、集団行動が苦手など発達の気になる子どもの数が増えている。これらの発達特徴をもつ子どもに対して、親は何かしら困難さを抱えストレスをもっている。福井市では、特別な配慮が必要な子どもへの支援を強化していくために2012年度より、障がい児健全育成事業として研究指定園による親子療育教室の研究を開始した。子どもの在籍する公立保育所における親子参加型の療育は、全国に先がけた新規的な取り組みである。 本研究は、親子療育教室に参加を希望する発達の気になる子どもをもつ親に対して、親の育児ストレスを分析し、子どもの側面と親の側面からストレス因子を抽出した上で、子どもの発達特性に応じた保育を親と連携して行う一連の育児支援プログラム開発を目的とする。 2021年度の成果では、発達の気になる子どもをもつ親の育児ストレスについて日本版PSIを用い、親のストレス状況を調査し育児ストレスが高値であった親は全体の18%で、ストレス総点やストレス側面の偏りから今後専門家の介入も視野に入れた育児支援の必要性が示唆された。また、「退院後の気持ち」に高いストレスがある親の80%に妊娠中・出産時から退院までの経過で何らかの記載があることがわかった。また、親自身のストレスより子どもへのストレスが大きかったものは82%で、「子どもの機嫌の悪さ」については63%の親が高いストレスを示し、その内容として目覚めの悪さや拒否反応が強いという子どもの行動特徴が示された。 2022年度は、育児ストレスをふまえた親支援に向けたPSI(育児ストレスインデックス)Pデータの蓄積、ならびに保育士の親理解と支援に向けた育児支援アンケートを実施しデータをまとめ始めている。また、2021年度の成果より、育児支援に関わる多職種連携と地域支援について現況をまとめ課題について報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者は2020年7月に研究計画を京都先端科学大学研究倫理審査委員会に提出し2020年9月2日に承認を得た。 研究代表者は2020年11月被験者となる発達の気になる子どもの親7名、その担任保育士6名、2021年8月に子どもの親4名とその担任保育士5名に口頭と書面で説明を行い研究参加の了承を得ている。2022年度は8月に子どもの親3名とその担任保育士1名に了承を得た。 2022年度の研究計画は以下の研究2、3、5について進めた。研究 2.発達の気になる子どもを持つ親の育児ストレス調査と分析(2020年度7名、2021年度4名、2020年度3名のデータ収集をし分析を行った)。研究3.発達の気になる子どもの基本情報[年齢、性別、生育歴、発達歴、基礎疾患、診断名、療育履歴、家庭環境(家族構成、出生順)]調査については2020年度対象児7名、2021年度対象児4名、2022年度3名のデータ収集を得た。研究5.発達の気になる子どもを担任する保育士への育児支援アンケ―ト調査(2回実施)と分析。2020年度6名、2021年度5名、2022年度1名のデータを収集ができた。 対象施設の新型コロナウィルスの感染拡大で施設への出入りに制限があり、被験者数も感染対策で少数となり、2021年度に引き続き2022年度も感染拡大の影響で対象が4名と縮小され、そのうち被検者として3名に協力が得られた。当初の計画では1年間で10名前後の被験者のデータ収集が予定されていたが、3年間で14名のデータ数にとどまり、予定データの50%にも満たない。そのため、科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間の延長申請をし、令和5年3月13日学振助一第1365号で承認を得た。2023年度もデータの蓄積を継続する。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は研究期間を1年間延長してデータ数を確保する。そのため、2023年度の研究計画として、研究代表者は被験者となる発達の気になる子どもの親、その担任保育士に口頭と書面で説明を行い、研究参加への了承を得る。 2023年度については、新型コロナウィルス感染症の影響が前年度より少なく、親子療育教室の人数制限が緩和される予定である。2020年度、2021年度の2年分の親のストレス状況についてのデータについては2022年3月に論文として発表できたため、2022年度、2023年度については保育士のアンケート調査についてデータ分析を進め報告書を作成する予定である。
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