研究課題/領域番号 |
20K13942
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
宮崎 仁 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (20550396)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 感覚特性 / 自閉症 / 家族支援 / デジタルマップ / 困難と対処の見える化 / 自閉スペクトラム症 / ICT / 情報共有 / 位置情報 / ジオフェンス / 人工知能 / ディープラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
ASD児の日常生活での苦痛や困難は家族でも理解が難しい.これまでの研究から,児にとっての未知の困難は外出時に多いため,「どこで」パニックが発生したのかを記録・共有する必要性が利用者から伝えられた.この必要性への対応(見える化)が本研究の学術的問いである.本研究は,ASD児と家族にとってパニックを起こしうる未知の原因を表示するシステムの開発を目的とする.このシステムによって,事前にどの場所に困難があるのかをデジタル地図上で知ることができれば,家族は安心してASD児の行動に備えることができ,児に嫌な思いをさせることなく外出することができる.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,感覚特性をもつASD児がどのような場所でどのような困難に遭遇したのか,外出していても安心できる場所はどこか,などの位置情報を含む生活活動情報をスマートフォンで記録し,支援者に情報共有できるシステムを開発することと,モニター調査により集められた主に画像に関する情報を機械学習により分析し,ASD児が困難となる物体(例えば,踏切の大きな音が苦手であれば「踏切」)にユーザが近づいた際にお知らせする人工知能システムを開発することであった. 研究期間全体を通じて,これまでに開発を進めてきたアプリ「YOUSAY」をベースとして,デジタルマップ上に情報を記録できる機能を実装した.この機能により,例えば,通学路の途中にある踏切のある場所にデジタルマップ上にピンを立て,「踏切の音が苦手で音が聞こえると逃げ回ってしまう.電車が通らない時間帯に通学させるようにしている」のような情報を記録することができる.また,ASD児が苦手なものが存在する場所を指定し設定した距離の範囲に近づくと,スマートフォンにお知らせが届き,注意を促す機能を実装した. デジタルマップ上に情報を記録できる機能により,例えば学校の先生に通学時の辛さを伝達する際に言葉や文章だけでは理解を得られにくかった現状に対し,地図上に情報が「見える化」されたことで,どこにどのような困難があるのかを一目で伝達でき,視覚的に情報が提供されるため,理解や共感を得られやすくなった. 2020年度から2022年度の3年計画であり,本来の最終年度にはモニター調査を行い,アプリケーションの改善を進める予定であった.このモニター調査は,前年度応募によりあらたな研究へと引継ぎ,大規模なモニター調査を行い,得られた大規模情報から機械学習によりASD児の特徴を分析し,その分析結果をASD児およびその家族へと還元する予定である.
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