研究課題/領域番号 |
20K13945
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター (2023) 国立保健医療科学院 (2020-2022) |
研究代表者 |
越智 真奈美 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 政策科学研究部, 室長 (00749236)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 子どもの健康格差 / 子どもの貧困 / ライフコース / 縦断調査 / 施策評価 / レジリエンス / 地域要因 / 防御・促進要因 / 縦断研究 |
研究開始時の研究の概要 |
貧困による不利や困難は、子どもの心身の成長に影響を及ぼし、世代的にも継承される可能性が高く深刻な課題である。一方、子どもは貧困などの不利な環境下であっても、家庭や地域、学校における防御促進的な要因によって、リスクによる影響を抑え、対処する能力(レジリエンス)を伸ばす可能性がある。近年、国内各地で様々な貧困対策が実施されているが、子どものレジリエンスを促進する効果を長期的に把握した研究はみられない。本研究では、小・中学生を対象とした悉皆的縦断データとその地域情報を活用し、家庭や学校、地域におけるレジリエンスの防御促進要因とその効果を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、貧困に起因する社会的不利に対し、これらに適応し良好な状態を保つ子どもの能力(レジリエンス)に着目する。子どものレジリエンスを防御・促進する要因について、家庭や地域、学校における要因の経年的な影響を定量化することを目的としている。これにより、貧困などの不利な状況にあっても、この負の影響を防御し、子どもの良好な健康や発達を促進する要因について、家庭や地域、学校における有効な対策の可能性を検討する。 昨年度は、本年度は2015年から継続している保護者と子どもに対する縦断調査の対象児童が中学2年生となり、学校を通じた悉皆調査としては最終年度であった。来年度以降の調査実施について、改めて新規小学1年生の悉皆縦断調査を実施する方法について検討した。 昨年度までに実施した調査データを縦断データとして蓄積し、分析と論文執筆を進めた。主に、小学校、中学校におけるソーシャルキャピタルや所得格差などの集団の影響が、こどものレジリエンスや自尊心とどのように影響するかを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一昨年度は研究代表者の産前産後の休暇、育児休業の取得による補助事業中断期間としていたため、その間に計画通り実施されていた区立小中学校における調査のデータについて把握と分析に努めた。本年度の研究実施期間は、前年に収集した中学2年生のデータの整理およびこれまでのデータとの連結作業に時間を要し、縦断データを用いた分析の開始までの計画を変更した。
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今後の研究の推進方策 |
引きつづき調査協力自治体における新型コロナウイルス感染対策に配慮しつつ、区内地域活動についての情報収集を検討する。本研究の調査学年自体の調査とデータ収集はは昨年度までに終了しているが、新規小学1年生を対象としたコホート調査を自治体の協力のもとで開始するかについて、実施可能性をふまえて検討する。 本研究で収集してきた小学1年生から中学2年生までの縦断データと、定点観察を行ってきた小学1年生のデータを整理し、地域や学校における経済格差や地域活動と、子どものレジリエンスや精神的健康との関連について、マルチレベル分析等を取り入れた検証を行い、成果を発表する。
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