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若年女性における痩せの地域格差:社会的決定要因と次世代の健康格差への影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K13947
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分09030:子ども学および保育学関連
研究機関早稲田大学 (2021-2023)
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 (2020)

研究代表者

宮本 友子  早稲田大学, 人間科学学術院, その他(招聘研究員) (70774165)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード痩せ / 肥満 / BMI / 低出生体重児 / 早産 / 地域格差 / 体重 / 妊娠 / 健康 / ライフコース / DOHaD / 若年女性 / 子ども
研究開始時の研究の概要

我が国では若年女性において“痩せ”が増加している。女性の痩せは、本人の健康だけでなく次世代のライフコースにわたる健康にも負の影響を及ぼすと考えられる。本研究は、体格の“地域格差”を手がかりに、痩せの地域格差を引きおこす原因の候補と、痩せの地域格差が次世代のライフスコースの健康格差へどのように伝達されるかを、都道府県別の統計データを活用して明らかにする。これにより、どの様な社会的要因にアプローチすれば、若年女性の痩せの地域格差、ひいては次世代の健康格差の縮小が期待できるのかを考察する。将来的には、次世代の健康に寄与する政策の提案につなげ、日本のどの地域に生まれても健やかに育つ社会の実現を目指す。

研究実績の概要

当該課題では、日本人の若年女性における「やせ」の地域格差について、その社会的決定要因と次世代の健康格差への影響を明らかにすべく、分野横断的な検討を行っている。2023年度は、厚生労働省所管の統計情報の二次利用により、国民健康・栄養調査と人口動態調査の統計情報を入手し、主に以下の2点について分析を行った。
1)若年世代のやせと肥満の地域格差の実態:2003~2007年国民健康・栄養調査に参加した18~39歳で、身体計測値に欠損のない男性3,993名および女性4,465名(妊婦・授乳婦を除く)を対象に、性別および12の地域ブロック別にやせと肥満の割合を集計した。その結果、男女で異なる体格の地域格差の実態が明らかとなった。
2)妊娠前の親にあたる若年世代の体格が次世代の健康へ及ぼす影響:1)の標本の母集団に親の多くが含まれると推定される2008年に出生した児について、人口動態調査の出生に関する統計をもとに、性別・地域ブロック別に早産・低出生体重児の割合を集計した。地域ブロックをもとに前述の若年世代のデータと連結し、若年男女のやせ・肥満と早産・低出生体重児の割合との関連を重回帰分析により検討した。その結果、次世代への潜在的な健康影響が示唆され、特に、妊娠が成立する前の父親の肥満が早産や低出生体重児出生のリスクを高めるという新しい仮説が得られた。
これらの結果から、適正体重を維持している若年男女の増加は、世代を超えて次世代の健康にも好ましい影響をもたらす可能性があり、そのためには各地域の若年世代のやせ・肥満の実態と性差を踏まえたアプローチが必要である可能性が示された。以上の成果を論文としてまとめ投稿した(査読中)。
この他に、国民健康・栄養調査の身体計測値には、一定の割合で自己申告値が含まれることを踏まえ、自己申告による身体計測値の正確性に関するレビューもすすめ、論文として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始直後、新型コロナ感染症の影響により、国内での解析をすすめることができなかったが、当該年度にようやくその解析に着手し、結果を論文としてまとめ投稿することができた。当初の主要な目的を達成できたため、おおむね順調に進展しているとした。

今後の研究の推進方策

現在査読対応中の論文の受理を目指して、研究をすすめる。
また、当該課題の中では、当初計画していた、やせに及ぼす社会的決定要因の影響に関する検討が十分にできなかった。国民健康・栄養調査では都道府県別のやせの割合を明らかにするには調査人数が不十分であることが判明し(調査人数が少ない都道府県ほど誤差率が大きく、母集団の推定値が不安定となっている)、都道府県別の各種データと紐づけて社会的決定要因の影響を検討する当初計画では、方法の妥当性が十分に担保できないことによる。今後、残された課題を明らかにしうる別のアプローチについて検討をすすめ、次の研究課題として資金調達の可能性を探る。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)

  • [国際共同研究] The University of Auckland/Liggins Institute(ニュージーランド)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [国際共同研究] The University of Auckland/Liggins Institute(ニュージーランド)

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [国際共同研究] The University of Auckland/Liggins Institute(ニュージーランド)

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 日本人における自己申告による身体計測値の正確性:スコーピングレビュー2023

    • 著者名/発表者名
      青山友子, 苑暁藝, 松本麻衣, 岡田恵美子, 岡田知佳, 瀧本秀美.
    • 雑誌名

      日本公衆衛生雑誌

      巻: 70 号: 12 ページ: 817-827

    • DOI

      10.11236/jph.23-020

    • ISSN
      0546-1766, 2187-8986
    • 年月日
      2023-12-15
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Infant gross motor development and childhood physical activity: Role of adiposity2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Aoyama, Yuki Hikihara, Masashi Watanabe, Hitoshi Wakabayashi, Satoshi Hanawa, Naomi Omi, Hidemi Takimoto, Shigeho Tanaka
    • 雑誌名

      JSAMS Puls

      巻: 2 ページ: 100021-100021

    • DOI

      10.1016/j.jsampl.2023.100021

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Determinants of handgrip strength at age 2 years in children born moderate and late preterm and associations with neurodevelopmental outcomes2023

    • 著者名/発表者名
      Aoyama Tomoko、Alexander Tanith、Asadi Sharin、Harding Jane E.、Meyer Michael P.、Jiang Yannan、Bloomfield Frank H.
    • 雑誌名

      Early Human Development

      巻: 180 ページ: 105750-105750

    • DOI

      10.1016/j.earlhumdev.2023.105750

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 人生最初の1000日と生涯にわたる健康2022

    • 著者名/発表者名
      青山友子, 瀧本秀美.
    • 雑誌名

      子どもと発育発達

      巻: 20 ページ: 147-154

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Weight Gain and Nutrition during Pregnancy: An Analysis of Clinical Practice Guidelines in the Asia-Pacific Region.2022

    • 著者名/発表者名
      Aoyama T, Li D, Bay JL.
    • 雑誌名

      Nutrients.

      巻: 14 号: 6 ページ: 1288-1288

    • DOI

      10.3390/nu14061288

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 乳幼児期の運動発達と思春期の体力・運動能力―運動発達が早い子どもは足が速い―2024

    • 著者名/発表者名
      青山友子, 渡邊將司, 引原有輝, 若林斉, 瀧本秀美, 田中茂穂.
    • 学会等名
      日本発育発達学会第22回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 地域レベルでみた若年世代の体格と次世代の出生時の健康2023

    • 著者名/発表者名
      青山友子, 扇原淳, 苑暁藝, 松本麻衣, 岡田恵美子, 岡田知佳, 瀧本秀美.
    • 学会等名
      第64回日本社会医学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 学童期の健康(肥満・低体力・身体不活動)につながる乳幼児期の身体発育・運動発達.2023

    • 著者名/発表者名
      青山友子, 引原有輝, 渡邊將司, 若林斉, 田中茂穂.
    • 学会等名
      日本発育発達学会第21回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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