研究課題/領域番号 |
20K13950
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
濱村 尚子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (20869945)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 児童虐待 / 不適切養育 / 児童養護施設 / 脳イメージング / 虐待 / トラウマ関連障害 / fMRI / 反応性愛着障害 / DNAメチル化 / 愛着障害 |
研究開始時の研究の概要 |
児童虐待などの不適切な養育経験によって引き起こされる反応性愛着障害(RAD)や脱抑制型対人交流障害(DSED)は、神経基盤が分かっておらず、客観的な診断法も未だ確立されていない。また、ASDやADHDなど神経発達症との鑑別が困難であるため、適切な治療に繋がりづらいという問題がある。本研究は、RAD/DSED児とADHD児、定型発達児を対象に、安静時-機能的MRIを用いて三群間の脳機能特性の類似性および相違性を明らかにする。さらに、それぞれのDNAメチル化と脳機能の関連解析を行うことで、RAD/DSEDの分子メカニズムを明らかにし、生物学的な指標に基づいたRAD/DSEDの診断方法を確立する。
|
研究成果の概要 |
本研究では9-18歳の施設養育群28名と非施設養育群33名を対象に機能的MRIを用いて脳画像データを収集し、安静時機能的結合(RSFC)の解析を行った。扁桃体と海馬を基点としたSeed-to-Voxel解析を行った。また、両群それぞれの主養育者に対し、RAD/DSED症状に関する半構造化面接を施行し、得点化した。施設養育の有無を主効果とした場合、有意な群間差のある結合部位は認めなかった。RAD症状の中でも対人関係や情動の不安定さの項目(RADb症状)を主効果とした場合、左側の海馬を基点としたところ、右側の島皮質などを含むクラスターとの間に有意差のある結合を認めた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
幼少期の逆境的体験のある子どもに対するRADの過剰診断およびDSEDの過少診断が問題となっている(Allen & Schuengel, 2020)。子どもが幼少期の逆境的体験に曝されることの影響と、それを背景にRAD/DSED症状を呈することを適切に区別し、評価を行う必要がある。適切な治療に繋げるためにも、本研究課題では、幼少期の逆境的体験によって引き起こされる変化とRAD/DSED症状に関するメカニズムについて、生物学的な視点から評価可能とすることを目標としている。
|