研究課題/領域番号 |
20K13951
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
山本 一成 滋賀大学, 教育学系, 准教授 (70737238)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 生態想像力 / 生きているものどうしの想像力 / 想像力 / ESD / 経験 / 子どもの権利 / 持続発展教育(ESD) / 自然体験 / 幼児教育 / 生活 / ESD / 幼小接続 / 生きているもの / 実践支援ツール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、幼児期から生涯にわたる見通しをもったESDの実践理論を構築する上で、幼児期と児童期の接続に焦点を当てた理論構築を行おうとするものである。特に、幼小接続期の子どもが自己と環境の生態的な関係を認識する際に働く「生態想像力」に焦点を当て、身近な体験のなかから「生きているものどうしのかかわり」を発見することを柱とした実践理論の構築を行う。理論構築と並行して、保育と生活科の授業、双方で活用可能なESD実践支援ツールを開発することで、理論と実践の往還に基づく効果的なモデルを構築することを目指す。
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研究実績の概要 |
2021年度に国際学会にて発表した内容をもとに、生態想像力の発達とESDとの関係について論じた論文が国際学会誌(the Journal of School and Society)に掲載された。幼児期の直接体験に働く「生きているものどうしの想像力」から、学童期以降の「生態想像力」へと発達するESDのモデルを国際的に提案できたことは大きな成果であった。特に、幼児のアニミズムをESDを駆動するものとして再評価し、西洋中心主義や人間中心主義といったESDの理論上の課題を克服する可能性をもったモデルを提示した点が評価されたことも重要であった。 また、生態想像力をテーマとした国内のシンポジウムでの講演、ゲストを招いた公開シンポジウム等で、研究成果を社会に還元する機会も得られた。前者は大学の紀要論文としてまとめられ、後者のシンポジウムの様子は、筆者のホームページにてその様子が公開されている。 実践支援ツールの開発については、幼児教育と学校教育におけるカリキュラムへの考え方、および授業形態の違いがネックとなり、未だ完成には至っていない。本研究が開発する実践支援ツールは、子どもの直接体験のなかに働く生態想像力をマッピングすることでカリキュラムを生成する手法をとるが、小学校以上の教育においては直接体験の時間が限られ、ツールの使用可能性が狭められてしまう点が課題になっている。公開シンポジウムなかでも議論がなされたとおり、学校教育のなかで想像力を涵養する重要性や可能性は大きいものの、実現のためのさらなる工夫が必要である。伊那市立伊那小学校、軽井沢風越学園といった視察先との交流によって徐々に学校教育への応用の手がかりが得られているものの、引き続き小学校向けのツール開発が課題となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論面では、幼児教育と小学校教育を一貫する想像力に基づくESDモデルが精緻化されつつある。2022年度は、学校現場での視察も徐々に再開でき、実践的な側面での研究の手がかりが多く得られた。しかし、特に実践支援ツールの開発の面で、幼児教育と小学校教育の差異から生じる課題が想定以上に多く出てきている。課題がはっきりしてきていることは研究の成果でもあるが、それらをツールの改善に結びつけていくことが必要となる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度にまとめられた論文やシンポジウムから得られた成果を発展させ、実践支援ツールを改善し、最終成果としてまとめていく。生態想像力を軸としたESD実践を行うためには、子ども自身の体験と発想に基づいてその意味を深め広げていく必要があるが、特に小学校の学習形態、学習評価、カリキュラム構成のなかでどのように実践支援ツールを導入していくのかに難しさがある。ここまでの研究で明らかになってきた幼小接続上の課題を整理しつつ、それを克服することが可能なツールに仕上げていく必要がある。
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