研究課題/領域番号 |
20K13959
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 (2023) 早稲田大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
岩崎 美奈子 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (40846888)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アタッチメント・スタイル / 子育て / 自閉スペクトラム症 / 育児困難感 / 子育て支援 / 親子の関係性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、養育者のアタッチメント・スタイルに焦点をあてた子育て支援アプローチを提案することを目的として、以下の課題に取り組む。 (1)養育者のアタッチメント・スタイルと育児困難感や子どもの心理社会的適応の関連を検証することにより、養育者のアタッチメント・スタイルが親子に与える影響を明らかにする。 (2)養育者のアタッチメント・スタイルを簡便にアセスメントするツールを作成する。 (3)相談機関を利用する養育者のアタッチメント・スタイルと支援内容および経過を検証することにより、養育者のアタッチメント・スタイルに即した支援アプローチを提案する。
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研究実績の概要 |
本研究は、養育者のアタッチメント・スタイルに焦点を当てた子育て支援アプローチを提案することを目的とした。特に、子ども虐待のリスクである育児困難感を抱きやすい、育てにくい子どもを持つ養育者への支援に焦点を当てた。 まず、養育者のアタッチメント・スタイルと育児困難感や子どもの心理社会的適応の関連を検証するため、知的な遅れを伴わないASD児とその母親58例を対象に調査を実施した結果、子どもの外見と社会性に対する自己評価は子どもの抑うつ症状を促進し、母親の子どもに対する困難さ評価に影響を与えていた。また、母親の抑うつ症状は養育行動だけではなく直接的に子どもに対する困難さ評価に影響を与えていることが明らかとなり、抑うつ症状にはアタッチメント・スタイルの不安定性の高さが影響を与えていた。 次に、子どものアタッチメント・スタイルの影響を考慮するため、知的な遅れを伴わないASD児とその母親21組を対象として調査を実施した結果、非安心型のアタッチメント・スタイルを有する母子は、安心型のアタッチメント・スタイルを有する母子に比べて抑うつ得点が高かった。 以上の調査結果より、安心性の低いアタッチメント・スタイルはメンタルヘルスを悪化させ、育児困難感につながりやすいことが示唆された。そこで、アタッチメント・スタイルに即した支援アプローチを検討するため、医療機関に通院する知的な遅れを伴わないASD児とその母親13組を対象として、母子のアタッチメント・スタイル及び支援経過を調査した。その結果、母親が非安心型のアタッチメント・スタイルの場合には、母親の関わりによってASD児をさらに不安にさせてしまうことが支援経過の中で散見され、訪問看護などアウトリーチによる支援が奏功する可能性が示唆された。
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