研究課題/領域番号 |
20K13967
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2022) 一橋大学 (2021) 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター (2020) |
研究代表者 |
杉浦 由佳 (白川由佳 / 白川 由佳) 慶應義塾大学, 文学部(三田), 特別研究員(RPD) (50750402)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | コミュニケーション行動 / 脳波計測 / 神経発達 / 同齢間相互交渉 / 幼児 / 育児支援 |
研究開始時の研究の概要 |
集団生活を営む動物において、遊ぶ・食べるといった同齢との関わり(相互交渉)の経験は、コミュニケーション行動を促進する。しかしヒトにおいて、そうした経験の行動面・神経系に与える影響は定量的に解明されておらず、生物学的根拠は乏しい。 本研究では、(1)同齢の幼児間の相互交渉経験がもたらす行動面の特徴を数値化して特定する。(2)幼児の脳撮像を行い、こうした経験の影響が及ぶ脳領域・神経伝達物質を明らかにする。(3)他児との関わりの少ない子どもを対象に、介入トレーニングを行い、介入前後での行動面・神経系の変化を明らかにする。これらの結果に基づき、同齢児との相互交渉の生かした支援環境の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、幼児のコミュニケーション行動を促進させる育児支援環境の構築である。本研究では、(1)同齢の幼児間の相互交渉経験がもたらす行動面の特徴を数値化して特定すること、(2)こうした経験の影響が及ぶ脳領域・神経伝達物質を明らかにすること、(3)他児との関わりの少ない子どもを対象に、介入トレーニングを行い、介入前後での行動面・神経系の変化を明らかにすることによって、生物学的根拠に基づいた支援環境の構築を目指している。 令和4年度は、上記(1)および(2)について取り組み、①相互交渉の経験有無に伴う、コミュニケーション行動の差異を定量的に判別可能な行動解析系の構築と②脳波計測による神経基板解析へ向けた実験条件の設定を目標とした。 ①については、研究機関の異動が生じたため、新たな研究機関における実験環境の構築行った。新型コロナウィルス感染症対策の観点から、他者と密に接触する可能性のある環境設定を回避し、通常とは異なる環境の影響が最小限となるような評価方法の開発を進めた。感染症の影響により、積極的な被験者実験の遂行は困難ではあったが、実験環境の構築と少人数ではあるが成人を対象とした予備検討実験を実施した。 ②については、再度の申請者の所属研究機関の変更と感染症の影響により、当初計画していたMRI/MRSによる検討がより困難な状況となったことから、脳波計測による神経基盤解析を進めた。物的環境面では、ダミー実験を通して再現性および信頼性のある脳波計測環境を確立した。運用面では、ヒトを対象とした臨床研究の申請を行い、承認を得た。また、予備的検討として、外的刺激が認知機能に及ぼす影響について成人を対象とした検討を行った。その結果、特定の聴覚刺激により、聴覚記憶形成が阻害される可能性が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響が大きく、主に被験者を対象とした実験が当初の予定通り遂行できず、十分な被験者数が確保できなかった。そのため、現在までの進捗状況は遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
行動定量解析系の構築は、本研究において重要な基盤となることから、十分な実験および検討を要する。令和4年度においても、新型コロナウィルス感染症の影響が大きく、十分な被験者数が確保できなかったことから、令和5年度も引き続き、被験者を対象とした検証実験を行い、行動解析系の確立を目指す。神経基盤解析実験においては、脳波計測による検討を進める。介入研究については当初の計画通り、定量行動解析系の構築を終え、神経基盤検討のデータ収集・解析が一定程度達成できた時点での開始を予定している。
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