研究課題/領域番号 |
20K13969
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 (2023) 北海道教育大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
渡辺 理文 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30758363)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 評価の三角形 / 学習のための評価 / 教育評価 / アセスメント・リテラシー / 形成的アセスメント / 学習評価 / 変容的アセスメント / 理科学習 / 変容的評価 / 形成的評価 / 自己調整学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、変容的アセスメントの理論的方略に着目した。変容的アセスメントとは、形成的アセスメントを繰り返し行うことで、子どもの概念の変容を促し、自己調整学習能力の育成を促す評価方略である。この評価方略を基にして、理科における自己調整学習能力の育成に寄与する変容的アセスメントの方略モデルの構築と、授業の開発を行う。方法として、小学校および中学校教諭の実践協力者と協力をし、授業実践による検証を行うことで、事例的に方略モデルの構築と修正を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、理科において、自己調整学習能力の育成に寄与する評価方略モデルの構築と授業の開発を目的とする。全国学力・学習状況調査において、理科では、子どもが問題解決のために自律的に思考し、思考した内容を自分なりに表現する力に依然として課題があることが明らかになった。この課題の解決のためには、自分の学習を調整する力の育成が必要である。 子どもの自己調整学習を支える評価を行うための方略として「評価の三角形(assessment triangle)」に着目した。この評価の三角形は米国学術研究会議が提唱する評価のモデルであるである。「認知(cognition)」「観察(observation)」「解釈(interpretation)」の三つの要素から成る三角形である。評価の三角形に基づく評価活動とは「認知」の学習モデルに従って「観察」したデータを「解釈」することである。 この評価の三角形に基づいて、理科授業を計画・実践し、その実践した授業を事例として示した。事例を示すために、質的研究のエスノグラフィーを方法論的枠組みとし、参与観察を選択した。計画・実践した授業は、小学校第4学年「空気の温度変化に伴う体積の変化」とした。分析の結果、「評価の三角形」の要素である「認知」「観察」「解釈」を実現することができた。 具体的には「認知」で達成目標を決定し、「観察」ではノートの記述内容や発表内容、実験中の活動の様子などからデータを収集した。そのデータの「解釈」を座席表に整理することで「認知」で決定した目標の達成状況を捉え、さらなる達成に向けて次時の計画をした。 「評価の三角形」は、日本の理科教育に援用可能な評価のモデルであることを示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学校段階の理科において自己調整学習を支える評価活動を「評価の三角形」に着目して事例を提示することができた。しかし、中学校段階における実践はまだ計画段階である。
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今後の研究の推進方策 |
中学校理科においても「評価の三角形」の実践事例の提示を目指す。また、小学校理科で学習内容の異なる実践事例を増やし、それぞれの実践の差異点・共通点を見いだす。そのような具体に基づいて、評価の方略モデルの精緻化を図る。
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