研究課題/領域番号 |
20K13973
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
山内 敏男 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70783942)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 歴史学習 / 学ぶ意味 / 教訓・知恵 / バイアス / 語り / 語り直し / 歴史の内在化 / 記憶 / 災害レジリエンス / 教訓 / 減災 / 復興 / 社会の在り方 / 歴史教育 / 事前復興 |
研究開始時の研究の概要 |
現在,災害への備えの重要性は高まっているものの災害に関する深刻な脆弱性はなお存在し,その克服にあたり教育が担う役割は大きい。社会の一員として他の人々や集団,地域の安全に関与していく人材育成のためには,レジリエンス(あらゆる物事が望ましくない状況から脱し,安定的な状態を取り戻す力)の視点をふまえ,歴史災害から教訓・知恵を学ぶことが不可欠である。 本研究では,歴史教育において災害レジリエンスを高める視座から,先人の営みから教訓・知恵を獲得し,現代社会の在り方が構想,提案できる学習の開発と実証的な検討に取り組む。
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研究成果の概要 |
繰り返される災害や戦争(以下厄災)について,これまで開発されてきた学習は正しいとされる知識や技能,態度を身につけることを求め,近代合理主義的な知識や判断が取り上げられる傾向にある点,価値判断内容が同質であることを強いてきた点に課題があったことを明らかにした。 これらの課題を解決する学習として,①現代社会において個人や社会に潜んでいる常識を意図的に過去にあてはめることで,現代社会の規範を問い直す資質・能力を育成する学習,②厄災発生時に陥りやすい事が実際に起きることを前提とした学習,③厄災の記憶のされ方・語られ方の変遷を学に自らが語りを形成する能力を育成する授業の開発と学習の方向性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般にレジリエンスは「ハード面の強靱化,リスク対応や意思決定,行動化にかかわる的確な判断能力の育成」を目指すのが穏当であろう。一方,従来厄災を扱った歴史学習では,厄災下における状況理解,あるいは望ましいとされる理想・理念が先行した態度育成に重点が置かれてきた。それに対して本研究では,よいとされる認識や判断を問い直し,自らが災害や戦争などの厄災を語り直すという行為を通して,自己や社会がどうあるべきか,どう行動するべきかを①問い直す,②語り直すことにより,社会をよりよくしようとする行動選択,つまりレジリエンスを高めた社会への参画,市民性形成が期待できる。
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