研究課題/領域番号 |
20K13981
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 共栄大学 |
研究代表者 |
井ノ口 和子 共栄大学, 教育学部, 教授 (80806703)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 図画工作 / 鑑賞活動 / 触る / 身体 / プログラム / 授業改善 / 多様な〈見る〉視点 / 図画工作科 / 見る / 子ども |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、図画工作科における児童の鑑賞活動を「子どもの〈見る〉」と定義し、「子どもの〈見る〉」ことの意味と意義を探り、図画工作科の題材と教育プログラムの構築を図ることを目的とする。小学校の教育現場では、鑑賞活動の重要性に対する認識が高まりつつあるが、「子どもの〈見る〉」ことの意味や意義についての理解は十分とは言えない現状がある。本研究では、図画工作科における「子どもの〈見る〉」を具体的な子どもの姿として示し、「学習題材」としての教育プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
本年度の研究実績は以下の3点である。 ①美術館における鑑賞プログラム調査:美術館の鑑賞プログラムにおける「〈見る〉ことを誘う仕掛けや工夫」について調査を実施した。とくに、長野県立美術館アートラボでは、視覚以外の感覚も使った鑑賞について実験的な鑑賞プログラムを実施している。2021年第Ⅰ期より継続的に調査を実施し、多様なプログラム展開について考察した。福島県立美術館で実施された「視覚障害者との美術鑑賞事業 ―触って話して見て楽しむ美術鑑賞ワークショップ」に参加した。視覚障害の方と一緒に作品を〈見る〉プログラムを通し、視覚のみに依存せず触覚や会話などの感覚や活動を組み合わせた新たな鑑賞方法を通じることで、作品への理解が一層高まることが期待できる。 ②小学校における授業研究と実践:東京都の区立小学校第6学年の図画工作科実践授業「ジャズをかこう」を題材の第一次から最終授業まで継続観察を行った。本調査から、教員の鑑賞指導に対する課題を明らかにし、指導法について分析・考察をした。現在、具体的な学習指導案にまとめ、プログラムを検討している。 ③初等教員養成課程に関する授業改善:昨年度にまとめた授業改善に関する論文を基に、指導者自身が児童作品を〈見る〉資質・能力を高めることが「子どもの〈見る〉」を深めるための指導につながることに着目し、「初等教科教育法(図画工作)」と「初等図画工作」において、〈見る〉を取り入れた授業改善を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の影響を受けて研究初年度から2年度までのの研究課題の調査が大幅に制限された状況であり、研究を進めることができなかった。本年度は調査や授業実践が少しずつ実施することができたが、当初の予定からは「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
①美術館における鑑賞プログラムの調査を継続し、〈見る〉ことを促すためのプログラムを考察し、図画工作科におけるプログラムへの汎用を検討する。 ②小学校における実践授業を論文にまとめ、投稿する。 研究課題の完遂のため、1年間の研究期間の延長を検討している。
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