研究課題/領域番号 |
20K13994
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部) |
研究代表者 |
近藤 美麻 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 研究員 (40737590)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 生物多様性 / ESD / 教員研修プログラム / 生態系サービス / アンケート調査 / 小学校 / 研修プログラム開発 / 研修プログラム / 教員研修 / 生物多様性教育 / 持続可能な社会 |
研究開始時の研究の概要 |
小学校教員における生物多様性に関する理解を促し、生物多様性教育に取り組む上で教員が抱く課題の解決にアプローチする研修資料を作成する。次いで、研修資料を用いた教員への研修実施と、それを受けた教員自身による授業案作成までをパッケージとし、教員の主体的な学びによる理解の促進を図る教員研修プログラムを実施する。実施前後でアンケート調査を行い、プログラムの効果を検証する。検証結果をもとにプログラムを改良し、さらに繰り返し実施、検証を行う。最終年度には、開発した研修資料と、教員が作成したモデル授業案を集約し、冊子やウェブ上で公開することで、より多くの小学校教員による生物多様性教育の実践をサポートする。
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研究実績の概要 |
教員を対象とした研修を計3回実施した。実施にあたっては研修の前後でアンケート調査を行い、研修効果を把握した。研修に用いたプログラムには生物多様性に関する基礎的な内容のほか、30by30やネイチャーポジティブの考え方、条件付特定外来生物等の新たな情報等を取り入れたほか、生態系サービスの具体例および生物多様性と教科書単元との関連性を考えるグループワークを導入し、生物多様性の観点から教員自身の知識や教科教育へのリフレーミングを促した。研修の結果、生態系サービスの実例を考えるグループワークで挙げられた例を生態系サービスの4つの分類(供給,調整,基盤,文化的)毎に計数すると,最も多く挙げられたのは供給サービス,次いで文化的サービスであり,日常生活の中で自らが使用・体験する身近な例が多かった。教科書単元と生物多様性の関わりを考えるグループワークでは,各学年で生活と理科の単元が,3~5年生ではそれに加え社会や国語の単元も挙げられた。単元での学習内容に関連する生物多様性の事項としては,各学年で3つの多様性が共通しており,3年生以上では生態系サービスも挙げられた。事後アンケートの結果より、グループワークを通して他者と意見交換をすることで,生態系サービスの理解が深まった様子が伺えた。この結果は日本ESD学会第7回近畿地方研究会にて発表した。 また、教科書単元と生物多様性との関連性について検討するため、理科、生活科、社会科、国語科、道徳科の教科書研究を通じ、生物多様性に関する内容を踏まえた授業が可能である単元について検討した。さらに、身近な自然から生物同士のつながりを考えることができるプログラムの基礎データの集積のため、府内8校の小中学校の校庭で生物調査を実施した。 2022年までに実施した教員を対象とした生物多様性研修プログラムの効果検証結果をまとめ、日本ESD学会誌へ投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教員を対象とした研修を実施し、アンケート調査により効果検証を行うことができた。また、教科書研究や校庭における生物調査を実施し、新たな研修資料作成に向けた基礎的情報の蓄積を進めたが、それらの内容を踏まえた研修資料の開発には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
教科書研究や生物調査の結果もふまえ、新たな研修資料の開発に取り組む。また、それらを活用した教員研修を実施し、効果検証を行い、その結果をふまえ研修資料をブラシュアップする。研修資料をまとめ、配布物を制作するとともにホームページ上で公開する。
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