研究課題/領域番号 |
20K13997
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 福岡教育大学 (2022-2023) 富山大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
武田 裕司 福岡教育大学, 教育学部, 講師 (70821544)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 教科教育学 / 国語科教育 / 文学的文章 / 学習指導 / 自立した読者 / 自己内対話 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、文学的文章の学習指導において、学習者内の自己内対話を活性化する手立てを実証的に明らかにするものである。文学的文章の読みの学習指導においては、教師の意図によって学習者内の自己内対話が抑圧される事例が報告されている。そこで、教室における学習者の自己内対話の諸相をHermans & Kempenの提唱する「対話的自己」論を援用して明らかにするとともに、学習者の自己内対話を活性化するための国語科学習指導のあり方について探る。また、学習指導のあり方について、教材研究・学習指導と学習者の反応分析の両面から追究することによって、年間を通した学習指導カリキュラムを構想する。
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研究実績の概要 |
本研究は、文学的文章の学習指導において、学習者内の自己内対話を活性化する手立てを実証的に明らかにするものである。文学的文章の読みの学習指導においては、教師の意図によって学習者内の自己内対話が抑圧される事例が報告されている。 そこで、教室における学習者の自己内対話の諸相をHermans & Kempenの提唱する「対話的自己」論を援用して明らかにするとともに、学習者の自己内対話を活性化するための国語科学習指導のあり方について探る。また、学習指導のあり方について、教材研究・学習指導と学習者の反応分析の両面から追究することによって、年間を通した学習指導カリキュラムの構想を目的とする。 2023年度研究成果として、文学的文章の学習指導における読者の位置を検討したことが挙げられる。国語教育研究の理論的基礎を築いた垣内松三に着目し、東洋美学研究者であった金原省吾とのかかわりを検討することによって、金原の提唱した読者の役割からどのような影響を受けたかを明らかにした。 その成果として、学会発表「垣内松三の再検―読者の役割を中心に―」を令和5年度第145回 全国大学国語教育学会 (信州大会)にて行った。本発表では、垣内松三が読者の役割に言及した雑誌「形象の概念」を検討対象として、その中で引用される金原省吾との関わりについて考察した。垣内の読者の役割へのまなざしはこれまで批判されてきたが、本論文中には読者の役割に対して意識的な言及がなされていた。これは金原省吾から受けた影響であり、このことについて考察することにより、垣内に対する再評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究協力校でのフィールドワークや当初実施予定であった小学校での読者反応調査が実施できなかった。これらの理由から、進捗状況は当初の予定からやや遅れていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
今後、感染の拡大状況や文科省等の指針を注視しながら、研究協力校でのフィールドワーク・小学校段階での読者反応調査を実施する。
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