研究課題/領域番号 |
20K14012
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
新井 美津江 立正大学, 社会福祉学部, 特任准教授 (50866275)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 実践的知識 / 教師の職能成長 / 小規模研修 / 教師の気づき / 教師の知識生成 / 実践での教師個人の学び / 集団での教師の学び / 知識生成の偏り / 数学を教えるための知識 / 数学教師教育 / 研修 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は教師の数学を教えるための実践的知識(授業という実践の中で生成・活用される知識)に着目し現職教師教育に貢献するものである。 目的は、日々の実践(授業を計画する、授業をする、授業を振り返る)から、小学校数学教師の実践的知識の変容を促す要因を一般化し、その研究結果から実践的知識の変容を促す現職教師教育の在り方を考察することである。研究方法は二段階からなり、第一段階は4名の教師を対象とした事例研究、第二段階は同学年複数教師による日常的な研修を、3つの異なる方法を用いて実施し比較する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、学校ベースの小規模研修の在り方を模索するため、まず近隣2校に勤務する若手教員にインタビューを行い、新採用時の研修や同僚や先輩教員から学んだ内容を中心にインタビューを行った。その結果、ある程度共通する学びの経路が存在し、主に先輩教師から教えられ実践し技能を獲得する機会が多いことがわかった。学びの内容は個人差はあるものの指導方法に関する学び(例:板書のしかた、まとめの書き方、めあての導入など)が中心である。それとは対照的に、内容の系統性や数学的な意義など指導内容に関する学びの機会が乏しい実態が浮かび上がった。 以上のことから、小規模研修の在り方として知識・技能の伝達ではなく教師自らの「気づき」による深い学びが必要であることが示唆された(6名の教師の事例をもと「気づき」の様相を国内外の学会で発表)。 そこで、近隣小学校1校において授業ビデオを用いた校内研修を1時間実施した。授業がうまく進まない授業ビデオ(かけ算導入)を視聴後、若手・中堅・ベテランに分かれてディスカッションした。通常はグループ内で先輩教師の発言が多く、若手がそれを聞くというスタイルが多いが、上述した伝達型の学びを避けるために年齢別グループ編成を行った。分析・考察は途中であるが、授業をみる観点がグループごとに異なっていることが明らかになった。今後さらにグループ内の相互作用に着目し、教師の「気づき」の過程を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
11月に行った小規模研修のデータ分析が途中であること、よりデータの一般性を高めるためさらに他校でのデータ収集が必要であることを考慮すると、計画よりやや遅れていると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
グループディスカッションのデータを更に収集するとともに、分析・考察を行い教師の学びの過程を「気づき」の過程として描写する。そして「気づき」の要因と対象を明らかにすることを通して実践的知識の生成を考察し、小規模研修の在り方への示唆を得る。加えてこれらの研究結果を国際学会で発信する。
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