研究課題/領域番号 |
20K14016
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
野原 博人 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70844108)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 能動的学習 / 拡張的学習 / 科学概念構築 / メタ認知 / エージェンシー / 能動的な学習 / 思考の可視化 / 学習環境 / 認知能力 / 非認知能力 / 成長的思考態度 / 活動理論 / 科学概念 / 理科授業デザイン / 教授・学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,理科教育における現代的課題解決と連動した授業研究を通して,能動的な学習の実現に向けた教授・学習論の基礎理論を構築する。特に,能動的な学習を支援する教授・学習論の視点として,活動理論の有用性について精査し,エンゲストローム(1987)による「拡張的学習」を理科授業に援用した「拡張的学習による理科授業デザイン」を構想する。「拡張的学習による理科授業デザイン」に基づく授業実践とその分析を行い,能動的な学習を支援する教授・学習論の精緻化,体系化を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は,理科教育における現代的課題解決と連動した授業実践とその分析を通して,能動的な学習の実現に向けた教授・学習論の基礎理論を構築することを目的としている。令和4年度は本研究3年目であり,昨年度に引き続き,能動的な学習の実現に関する先行研究や授業実践の分析を行なった。研究協力校における授業実践,実践記録の収集を行い,授業カンファレンスの形式を用いた分析を行なった。また,本研究が志向する理科授業デザインを構成する要素を精査し,授業実践とその分析を通して,各要素の機能について再検証した。具体的な研究業績の概要を以下に示す。 1.理科授業で育成を目指す学力に関する先行研究や実践事例の分析に基づき,小学校第4学年「ものの温まり方」,小学校第5学年「もののとけ方」の2単元を対象としたメタ認知を促す理科授業デザインについて考案し,授業実践により検証した。 2.理科授業における「エージェンシー」,「共同エージェンシー」を基軸とした学習環境のデザインについて,小学校第6学年「植物のつくりとはたらき」単元の教授・学習過程より分析した。授業実践の分析においては,創造的思考,批判的思考,ケア的思考といった3つの思考の融合は,認知的能力,非認知的能力の育成に関与することを明らかにした。 3.上記1,2における授業実践とその分析結果では,自己調整学習を構成する「メタ認知」や「動機づけ」は,本研究が志向する「拡張的学習による理科授業デザイン」を駆動する重要な要素であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度に予定していた研究内容は,研究協力校における授業実践,授業実践の記録収集と整理,授業実践の分析であった。本研究における成果と課題を学会等における口頭発表により公表し,さらに詳細に分析を進めている。また,著書においても,本研究に関わる授業デザインの方向性を整理して示した。研究協力校における授業実践の動画や子どものノート等の記述等の記録の収集と授業分析は円滑に進んでおり,残りの研究期間全体の進捗状況から,現在の時点で問題は生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,昨年度に引き続き,授業実践とその記録,整理,分析を行なってきた。次年度は本研究の最終年度になる。これまでの記録の分析結果から,本研究が志向する理科授業デザインを考案,検証し,必要に応じて授業実践の追試を行なっていく。本研究のまとめとして「拡張的学習による理科授業デザイン」の体系化,精緻化を目的とした教授・学習論の構築を図っていく。
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