研究課題/領域番号 |
20K14018
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 千里金蘭大学 (2022-2023) 甲子園大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
岡邑 衛 千里金蘭大学, 栄養学部, 准教授 (80735233)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 若手教師 / 社会関係資本 / 参与観察 / 教師の成長 / ウェブ調査 / フィールドワーク / メンタリング / 専門的資本 / 教師の専門性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「1対多」の組織的なメンタリングが若手教師の成長に寄与している実態を「専門的資本」概念を用いて実証的に明らかにすることにある。団塊世代の大量退職により、若手教師の成長への支援は教育現場にとって喫緊の課題である。本研究は、若手教師の成長への支援の手段としての組織的なメンタリングに着目し、日本の教育現場の日常に埋め込まれて機能する、「1対多」の組織的なメンタリングについて、文献整理、フィールド調査、質問紙調査および海外との比較を通して多面的に検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「1対多」の組織的なメンタリングが若手教師の成長に寄与している実態を「専門的資本」概念を用いて実証的に明らかにすることにある。 本年度は、大阪府内の学校におけるフィールドワーク調査および質問紙調査に代わるウェブ調査を行い、分析結果の一部を学会発表にて公表するに至った。詳細は以下のとおりである。 第一に、前年度まで2年間にわたって実施した東京都でのフィールドワークに続いて、大阪府の12の小学校、小中学校、中学校および高等学校でフィールド調査を実施することができた。そこでは、授業視察のほか、管理職を含めた49名の教員からの聞き取りを実施した。この分析成果については、令和5年度に開催された日本教師学学会にて報告をした(岡邑衛・島田希他「若手教師の成長とそれを促す環境に関する一考察―専門性資本論に基づく分析を通して―」)。 第二に、前年度までに新型コロナウィルス感染症の影響で実施できなかった質問紙調査について、ウェブ上でも実施できるように調整を行い、複数の教育委員会の担当者に説明、相談をし、小学校、中学校、高等学校、支援学校、および義務教育学校の初任者を対象に実施することができ、その結果、263の回答を得ることができた。この分析成果については、上記の質的調査の報告とは別に、令和5年度に開催された日本教師学学会にて報告をした(山口真美、岡邑衛「初任期教員の困り感と職場環境の変化」)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は学校でのフィールドワーク調査および教員に対する質問紙調査の実施を主な調査方法としている。前年度まで新型コロナウィルス感染症が学校現場に与えた影響により、計画より遅れて進行している。しかし、感染症の状況も改善したため、予定していたフィールドワーク調査、および質問紙調査についてはウェブ版を実施でき、遅れをやや取り戻すことができた。しかし完全に遅れを取り戻すには至らず、調査のまとめまではできなかったため、「新型コロナウィルス感染症に伴う繰越申請」を行い、補助事業期間の延長が承認されている。
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今後の研究の推進方策 |
すでに計画した調査は完了したため、あとは更なる分析と結果のまとめを行い、さらに、調査に協力いただいた教育現場に結果を判りやすい形でお返しする作業が残っている。今後約1年間をかけて、この作業に当たる予定である。具体的には以下の通りである。 第一に、前年度までに実施したフィールドワークから得られた知見を報告書にまとめることである。このフィールドワークは多くの研究者に協力いただき実施することができた。それぞれの視点から分析をしてもらい、1つの報告書にまとめたい。 第二に、ウェブによる質問紙調査の結果を報告書にまとめることである。約10年前には紙による同様の内容の質問紙調査を実施しており、10年間の変化を明らかにすることを目指したい。 第三に、これらの結果を学校現場で活用いただくために、報告書とは別に、わかりやすいかたちでリーフレットという形で知見をまとめたい。 以上の3点が最終年度に残された課題である。
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