研究課題/領域番号 |
20K14021
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 鎌倉女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
杉山 勇人 鎌倉女子大学短期大学部, 初等教育学科, 准教授 (80594605)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 字体・字形 / 書字 / 文字教育 / 国語科書写 / 芸術科書道 / 書写書道教育 / 漢字学習 / 漢字テスト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近代以降の字体・字形概念の形成に関わる歴史的背景を明らかにした上で、字体が示す「文字を文字として成り立たせている骨組み」の要素を再検討することを目的とする。 そのため、字体・字形・書体等の語が表す概念と、文字の正誤に関わる判断規準の歴史的変遷から、抽象的概念としての「文字の骨組み」観の形成とその反例について明らかにする。また、これらの歴史的考察を踏まえて、改めて「文字の骨組み」に含まれると考えられる字形の要素(点画の形状)を字例から検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、近代以降の字体・字形概念の形成に関わる歴史的背景を探り、字体が示す「文字の骨組み」の要素を検討した。その結果、「文字の骨組み」は等質・等幅の線(骨格)としてだけではなく、運筆の方向・順序と筆圧の変化、それによって表れる点画の形状も含め、その要素と捉えられてきたことが明らかになった。 また、戦後の学力調査等における漢字字体の正誤基準を調査し、「その文字として読めるか」という基準から、「1画1画を整えて、点画の数を過不足なく書く」という基準への移行を確認した。これらの研究結果を踏まえ、基礎学力としての書写力のあり方や、具体的な漢字テストの正誤基準例を提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「字体」が抽象的な概念とされているため、「文字の骨組み」もまた抽象的となり、漢字字体の正誤基準は明確さを欠く現状がある。本研究が示した、運筆の方向と筆圧の変化、それによって表れる点画の形状が、これまでも「文字の骨組み」の要素に含まれてきたという字体観は、字体研究・書字教育研究における新たな方向性となると考えられる。 また、本研究は、書字教育が育成すべきである「字体を正しく整えて書く力(書写力)」のあり方も示している。合わせて「常用漢字表の字体・字形に関する指針」にも例示されていない漢字字体の正誤基準(具体的な字形例)も提示しており、漢字教育・書写教育の基礎研究として大きな意義を持つと言える。
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