研究課題/領域番号 |
20K14027
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
谷口 紀仁 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 講師 (50811824)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 異文化間能力 / 国際共修 / 異文化トレーニング / 質的研究 / 量的研究 / 実証研究 / 異文化接触 / 日本人学生 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の大学の国際化により,「留学生30万人計画」に基づく外国人留学生数は毎年,増加している。一方,外国人留学生は日本に留学しても日本人学生との接触の機会がないことに不満を感じている。これまでの接触を阻害する要因の分析の視点は外国人留学生が中心であり,日本人学生に外国人留学生を受け入れる能力が不足していることについて考えられることは少なかった。そこで,本研究では,外国人留学生から日本人学生に視点を変え,日本人学生が国内外で異文化接触した際に獲得した能力を把握し,その能力を育成するトレーニングを開発することで,日本人学生の留学生受入能力向上を図る。
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研究実績の概要 |
これまで日本人学生と外国人留学生との接触を阻害する要因の分析の視点は外国人留学生が中心であり,日本人学生に外国人留学生を受け入れる能力が不足していることについて考えられることは少なかった.本研究では,外国人留学生から日本人学生に視点を変え,日本人学生が国内外で異文化接触した際に獲得した能力を把握し,その能力を育成するトレーニングを開発することで,日本人学生の留学生受入能力向上を図ることを目的としている。 2022年度(3年目)は、日本コミュニケーション学会で2本の発表を行った。また,1つ目の論文は既に雑誌に投稿済みであり,現在,査読中である。2本目を現在,執筆中である。2022年度は,国内学生の異文化コミュニケーション能力の向上という観点から,異文化トレーニングの一貫としてオンライン国際共修(COIL)を複数実施し,国内の日本人学生がオンラインで留学生と接触した場合,どのように彼らのアイデンティティが変化するのかを検討している。近年,留学前準備教育が従来の異文化トレーニングから国際共修に変化してきている時代の流れもあり,今後は従来の異文化トレーニングの要素を入れつつも,通常科目の中で異文化を学習する要素をどのように盛り込んでいくのかに焦点を当てることを考えている。そのため,まずは,授業デザインを再考し,図るべき能力を特定の上,効果測定を見直していきたいと考えている。引き続き論文執筆と並行して授業実践の改善にも取り組みたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度までコロナ禍にあってインタビューデータの取得が困難な状況が続いていたが,2022年度よりコロナが収束し,データは無事取れて現在,最後の論文を執筆中である。2本の研究論文の結果に基づいて,2022年度は,国内学生の異文化コミュニケーション能力の向上という観点から,異文化トレーニングの一貫としてオンライン国際共修(COIL)を複数実施し,国内の日本人学生がオンラインで留学生と接触した場合,どのように彼らのアイデンティティが変化するのかを検討してきた。コロナの影響により,従来の認知・感情・行動への作用を目的とした異文化トレーニングの効果検証だけでは十分ではなく,今後,オンラインで文化的背景が異なる方々と接触した場合の効果や,実渡航と組み合わせることでどのような相乗効果が発生するのかなど,複数の状況や場面を考慮して効果測定を検討していく予定である。以上のように,コロナの前後により,従来想定していた異文化トレーニングの効果測定とは異なった要素を加味する必要が生じているが,それを乗り越える手段の見当はついているため,2023年度中に研究を完成する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は学会発表を予定していないものの,8月までにコミュニケーション学関連の雑誌に論文2本を投稿予定である。また,秋以降に米国の大学と連携して,2022年度に引き続きオンライン国際共修を実施する。特に,前述のように複数の条件や場面を想定した上で,図るべき能力を特定の上,効果測定の見直しをする必要があり,授業改善は急務である。さらに,それと並行して2024年度の学会発表に向けて,秋以降に実施したオンライン国際共修の結果を論文にまとめた上で,2024年度の異文化間教育学会等の学会で発表することを予定している。最終的には,これを投稿論文に発展させて,科研の最終年度報告書も同時に取り組みたいと思っている。
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