研究課題/領域番号 |
20K14038
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
間篠 剛留 日本大学, 文理学部, 准教授 (90756595)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | アメリカ高等教育 / デモクラシー / コミュニティ / ラーニング・コミュニティ / サービス・ラーニング / 新自由主義 / 高等教育 / アメリカ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、20世紀アメリカにおいて高等教育とデモクラシーの関係がどのように論ぜられ、具体的な実践にどのように反映されてきたのかを明らかにする。主たる検討対象として、サービス・ラーニングとラーニング・コミュニティという、「コミュニティ」に注目した二つの実践群を設定し、1920年代のJohn Deweyの議論、1960年代の学生運動・公民権運動、及び1990年代以降の新自由主義のそれぞれの影響に注目して検討を行う。
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研究成果の概要 |
デモクラシーと高等教育の関係を論じる場合、米国では、高等教育へのアクセス拡大がデモクラシーに寄与するという考え方が一般的である。しかし20世紀を通じて、その理解におさまらない多様な理解や試みが展開されてきた。例えば、世紀初頭には、進歩的な理想に基づき、大学コミュニティそのものを民主化しようとする試みがあった。1990年代以降には、新自由主義に対抗してデモクラシーを掲げる議論が多い一方で、地域コミュニティや経済との協調関係のもとでデモクラシーの理念を再構築する試みも見られた。デモクラシーの理念は、高等教育の場をコミュニティとし、地域コミュニティとの関係を築きながら、多様な実験を生み出している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
デモクラシーの理念は新自由主義的な改革に対抗するための言説として用いられることが少なくないが、20世紀アメリカ高等教育の展開を見てみると、それは限定的な理解であることがわかる。デモクラシーの理念は、大学運営や大学生活の在り方を問い直したり、地域コミュニティや社会一般と高等教育機関の関係を問い直したりするものとして機能してきた。デモクラシーの理念自体も、単に新自由主義や経済的な論理と対抗するための固定的なものとしてあるのではなく、周囲との粘り強く対話のなかで変化している。このようにデモクラシーを柔軟にすることは、あるべき高等教育像を検討するうえでの手がかりとなろう。
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