研究課題/領域番号 |
20K14041
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 (2022-2023) 京都大学 (2021) 京都橘大学 (2020) |
研究代表者 |
菱田 一仁 京都先端科学大学, 人文学部, 講師 (70817246)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 留学生 / 精神健康 / 適応 / Push and Pull factors / 留学生のメンタルヘルス / メンタルヘルス / 文化差 / 外国人留学生のメンタルヘルス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近年増加傾向にある外国人留学生のメンタルヘルスに対する支援についての基礎研究である。 外国人留学生に対する支援については一定の研究があるとはいえ、近年のグローバル化や日本の高等教育を取り巻く環境が変わっている中で、彼らの抱えているメンタルヘルスに関わる問題も大きく様変わりしてきていると考えられる。外国人留学生のメンタルヘルスに対する支援は、彼らのみならず、受けれいる日本社会にとっても外国人留学生の存在をより意味のあるものにしてくれると考えられる。 そのために、本研究では実際に外国人留学生がどのような問題で困り、悩んでいるのかという点を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は留学生のメンタルヘルスに関する研究である。留学生のメンタルヘルスに関してというと、これまでの研究においては留学先での適応の問題や、そこで感じられる不安や鬱と言った精神健康上の問題、あるいはその支援についての研究が中心であった。一方で、実際に留学生の精神健康の支援を行うと、実際には留学に来る以前から精神健康の問題がある場合、さらにはそうした精神健康の問題が留学を志す理由の一つになっていることがあることが考えられた。 そこで、本研究においてはインタビュー調査を実施し、実際に留学生の考えを聞いた。その際には留学先での適応や不安などの問題に加えて、過去の精神健康に関する問題についての質問、さらにはそれらに関連した留学への動機に関しての質問を行った。 留学生はアジア系、欧米系などの出身者を対象にしたインタビューが行われ、その中では、多くの学生が留学先で何らかの精神健康の問題を感じたことが報告された。その多くは孤独などの問題で大きな問題ではなかったが、場合によってはカウンセリングに通うなどの専門家の援助が必要となるというものであった。 また、過去の精神健康の問題については、過半数の学生が何らかの精神健康の問題を経験していた。そして、その中には留学には全く関係のないものもあった一方で、自身のいた環境から離れたい、などの留学を志す理由と直結する問題もあった他、直接的な主要な理由ではないものの教育環境が不適切で辛かったなど留学に関係する問題なども報告された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は留学生のメンタルヘルスに関する研究であった。研究計画は新型コロナパンデミック以前であったが、新型コロナウイルスの流行によって留学生の行動がかなり制限されたために調査対象者のリクルートがうまくいかない、調査の実施がなかなか進まないなど計画が大幅に遅れざるを得なかった。 それでも一昨年度には留学生のメンタルヘルスに関して、インタビュー調査を実施した。インタビューデータは音声データであったが、昨年度にはその後の文字起こし、必要に応じた日本語と英語の翻訳作業、質的な分析などについてすべて完了した。その中では、これまで見落とされていた留学生の留学に関わるメンタルヘルスの問題について明らかになったと考えている。 2023年度には分析が終了した結果を論文としてまとめそれを国際誌に投稿する手続きを進めてきた。ただ、研究担当者自身が国際誌への投稿などに不慣れなこともあり初めに投稿した雑誌には内容的に合わないということも一つの理由として掲載がかなわなかった。そのために論文の論理展開などを変え、改めて雑誌を選択し直し投稿している。 そのため当初の予定よりも少し遅くはなっているが、国際誌に現在投稿しており査読の結果を待っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究においては、現在国際誌に論文を投稿しており、その結果を待っている段階である。現時点では一つの成果として十分に価値を持っていると考えていることから、国際誌への掲載を一義的に考える予定である。特に査読の内容によっては修正などが必要となると考えられることから、査読の結果に応じて適切な修正を行うことを考えている。 また、雑誌の基準に満たないと判断される場合には、他の雑誌について検討する他、追加でデータを取る可能性を含めて検討する。
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