研究課題/領域番号 |
20K14052
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
半田 健 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (90756008)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / セルフモニタリング / アプリ開発 / 学校 / 実施可能性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、自閉スペクトラム症児を対象に、学校場面において実施可能なセルフモニタリングアプリを開発し、その効果を明らかにするとともに、効果が促進される手続きを検証する。これにより、日本の学校場面で高い実施可能性と有効性を兼ね備えたセルフモニタリングアプリを用いた支援を提案できる。また、我が国が目指す特別支援教育のICT化に寄与する知見と今後の学術的な波及効果が期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究は、自閉スペクトラム症(ASD)児を対象に、日本の学校場面において実施可能なセルフモニタリングアプリを開発し、その効果を明らかにするとともに、効果が促進される手続きを検証することを目的としている。
研究2として、研究1(2021年度実施)で開発したセルフモニタリングアプリを用いた支援の効果を検証した。対象児は、小学校の自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍するASD児1名であった。標的行動は、算数の授業におけるプリントへの課題従事行動であった。支援は、アプリをインストールしたタブレットを用いた。手続きは、対象児が2分に1回、標的行動の生起・不生起(集中していましたか?)についてアプリ上に記録した(「はい」「いいえ」)。実験デザインは、単一事例研究法の反転デザインを用いた。支援効果の評価は、標的行動に関する行動観察にて行った。その結果、アプリを用いることで、課題従事行動の向上が確認された。
研究3として、セルフモニタリングアプリを用いた支援の効果を促進するために、対象児にとって効果的な手続き(注意のセルフモニタリング手続き vs 成果のセルフモニタリング手続き)を明らかにするアセスメントを実施し、その効果を検証した。対象児は、小学校の自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍するASD児1名であった。標的行動や支援、支援効果の評価は研究2と同様であった。注意のセルフモニタリング手続きは、「集中していましたか?」という質問を3分ごとに画面に視覚的に表示し、同時に通知音を鳴らした。成果のセルフモニタリング手続きは、「いくつ終わりましたか?」という質問を3分ごとに画面に視覚的に表示し、同時に通知音を鳴らした。実験デザインは、単一事例研究法の操作交代デザインを用いた。その結果、対象児にとって、成果のセルフモニタリング手続きのほうが、課題従事行動を向上させることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本国内の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、学校での調査や介入に関する協力が継続的に得られにくい状況にあったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究4として、小学校の自閉症。情緒障害特別支援学級において、セルフモニタリングアプリを用いた支援の効果を促進するために、対象児にとって効果的な手続き(記録するタイミングの固定間隔手続きと変動間隔手続き)を明らかにするアセスメントを実施し、その効果を検証する。これはアプリ開発を行う中で得られたアイデアであり、本研究の知見をより有益にするものである。 ただし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けることが予想されるため、教師や学校と十分に相談した上で、実施可能な研究計画を検討する。
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