研究課題/領域番号 |
20K14096
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
加納 敬 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (10770224)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 挿入操作 / モーショントラッキング / 運動解析 / 教育工学 |
研究開始時の研究の概要 |
医療には直視できない管状臓器への針あるいはカテーテルなど挿入操作が必要なケースが多い。挿入操作は重要な医療手技であり、習得および指導が困難な技術で、その失敗は時として致命的な事故に結びつくため事故の有効な防止策が必要である。本研究は挿入操作に熟練した人と未熟な人のそれぞれの動作を定量的に評価し、正しい操作を模索し、正しい操作を見出す。正しい操作と未熟者の操作を比較したときに現れる相違を未熟者に伝え、正しい操作に近づくように指導する装置を開発し、その実用性を評価する。さらに挿入技術の自動化につながる基盤技術の基礎的知見を得る目的で行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、重要な医療行為である挿入操作を定量的に評価し、熟練者の模範的な挿入操作から正しい操作を見出し、適正な操作を未熟者に伝え指導することにある。挿入操作の具体的な手技は血液透析治療における血管穿刺と人工呼吸管理中の気管内吸引である。 実験は被験者の手首に運動センサを装着し、操作時の3軸加速度、3軸角速度を測定し解析を行う。同時に操作の動画像を撮影し、被験者の手首や肘に球体マーカーを設置し、技術計算言語matlabのプログラムを使用してマーカーの位置情報を捉え、動作の軌跡やマーカー間の角度などを分析し、動作の作業フェイズごとの移動距離や角度変化、作業時間を観察し、熟練者と未熟者の相違から正しい操作となる特徴量を抽出する。 血管穿刺については、皮膚表在から血管までの針の刺入角度と血管壁から血管内腔までの刺入角度の変化を捉えるため、穿刺トレーニングシミュレータの血管内圧を測定し針の刺入時の圧力変化から時間抽出を試みている。2023年度に計上した圧力トランスデューサと圧力計用アンプ、ADコンバータを用いて引き続きシステム構築中である。また、穿刺時における血管を模索する手の動きに着目し、指先や手首の加速度、角速度変化から動作解析を行っている。 気管内吸引操作については、動作解析によって熟練者と未熟者の差を見出し、操作を改善する指導内容を見出した。指導には挿入準備時の姿勢変化や挿入時の加速度を可視化する必要があると考えた。そこで2023年度は手首に装着した運動センサから加速度や角速度など波形をリアルタイムで表示して指導するシステム構築を試み、加速度波形の出力が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度の研究進捗が遅れた理由として、穿刺トレーニングシミュレータの血管内圧を測定するシステム構築に時間を要したためである。血管内圧測定で穿刺動作との時間同期をする方法以外に、針の刺入角度の変位を運動センサや動画像で捉える方法を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年では、血管穿刺において穿刺の刺入角度およびその動作を熟練者と未熟者の特徴を運動センサおよび動画像解析から見出す。 気管内吸引操作では、手首に装着した運動センサから出力される加速度および姿勢変化を示すリアルタイム波形を用いて、学生に指導した効果について実験、解析する予定である。
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