研究課題/領域番号 |
20K14097
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 常葉大学 (2022-2023) 東洋英和女学院大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
酒井 郷平 常葉大学, 教育学部, 講師 (00824129)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 情報モラル教育 / 行動変容 / 教育方法 / 初等中等教育 / 応用行動分析 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,子どもたちのインターネット利用の増加に伴い,学校教育において児童生徒の適切なインターネット利用を目指した情報モラル教育が取り組まれている。しかしながら,こうした実践では,インターネットの危険性やトラブル事例を「教える」視点からの指導が多く,学習者の「行動変容」に到達した実践は少ない。 そこで,本研究では応用行動分析の知見を援用し,学習者の「行動変容」を目指した情報モラル教育プログラムの開発を目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度は,本研究の目的であるトラブルリスクを回避する行動を促進することを目指す教育プログラムの開発のため,学校現場で子どもたちの情報モラルに関する行動改善を目指した教育手法の検討に重点を置き,研究を遂行した。 具体的には,中学校教員を対象とした質問紙調査を実施し,生徒の情報端末の過剰利用に対してどのような教育手法を用いているかについて明らかにし,子どもたちの情報端末の過剰利用の改善に向け,行動変容を促すための手法について,既存の行動変容アプローチを概観し,情報モラル教育への援用可能性を検討した。こうした研究の結果,現在の情報モラル教育においては,子どもたちの情報端末の過剰利用に対して,抑制的なアプローチが多く取られているものの,応用行動分析学,ナッジ,仕掛学などの視点を用いることで,子どもたちの自律を促しながら適切な行動を促すことが出来る可能性が示唆された。 また,SNSでの情報発信によるリスク回避を目的とした情報モラルの授業の開発を行い,中学生を対象とした実践を行った。その結果,問題行動の当事者としての自覚を促すことや法的知識を理解する手法を通して,他者に相談する行為の変容に関する効果が明らかとなった。 これらの成果から得られた知見を踏まえ,トラブルリスクを回避する行動を促進することを目指す教育プログラムの開発を行い,小学校高学年および中学校に対して,教育プログラムの効果検証に向けた実践と調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度から2022年度にかけて新型コロナウイルスの影響により,学校現場を対象とした調査や実践を行うことが難しく,当初の研究計画である効果検証の実践まで実施が出来なかった。この点については,研究期間の延期申請により,1年後ろ倒しにより遂行していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,教育プログラムの開発と効果検証のための実践を行う予定である。具体的に想定しているプログラムとしては,小学校5年生に対して,チャットコミュニケーションに関する行動変容を促す教育プログラムの実践を行い,中学1年生に対してネットの過剰利用に関する行動変容を促す教育プログラムの実践を行う予定である。 これらの実践の結果,得られた効果について調査報告書にまとめ,近隣の学校および自治体へ配布する予定である。
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