研究課題/領域番号 |
20K14098
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | サイバー大学 |
研究代表者 |
高林 友美 サイバー大学, IT総合学部, 講師 (90843805)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 自律的学習 / 個別最適 / 特性理解 / 学修支援 / 教育工学 / 教育コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、発達障害の特性を持つ学習者に合った自律的学習スタイルを個別の事例から分析し、学習方略上の課題をICT活用で克服する支援ツールを開発することを目的とする。 「集中が続かない」「曖昧な指示に対応できない」などの様々な困難には、多寡の差はあれ誰もが直面する。そして、困難を抱えやすい学習者にとって、生涯にわたる学習を自分の特性に合った形で続けられるような、自律的学習は特に重要となるだろう。 本研究において、特性に応じた自律的学習のスキルと態度を支援するツールを作成することにより、将来的には、様々な特性を持つ学習者に対して個別最適化された学修支援システムの開発研究に結びつけることを目指す。
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研究実績の概要 |
当該研究課題は、診断の有無を問わず発達障害の特性に着目し、困難を持つ学習者が自ら学ぶための方略をまとめ、テクノロジーによる支援を策定するものである。これまでの研究では、自律的学習のモデル化に成功しており、これを個別具体的な支援に繋げるために事例収集とモデルの再構築化を行っている。研究開始直後が新型コロナウイルス感染症による全国的なオンライン授業の緊急対応が始まった年であることに鑑み、自律的学習がより必要となるオンライン教育の事例を中心に、アクティブラーニングを含む実践的な試行を重ねて特性に対応した学習支援ツールの提案・改善を目指している。 2023年度の具体的な成果として、高等教育をより多様で幅広い学習者に届けるという視点から、オンラインを利用した大学教育の開放の章を分担執筆した書籍を出版した。これは、テクノロジーにより学習へのアクセシビリティを高めるという考察において本研究の実現に大きく寄与するものとなった。並行して、国内の発達障害の特性に対する支援例を学習支援の側面からまとめ、実際に外国語学習アプリの実践事例から得られたケーススタディを国際学会において発表しプロシーディング論文としてオンライン公刊することができた。限定的な事例の範囲の中ではあるが、特にADHD特性に対するピアの支援の重要性と、今後の方向性としてのAI等による仮想ピアの声かけデザインについて議論を進めることができ、本研究の目的を達成するための重要な成果となったと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響と、それを経た急速なオンライン化に伴い、各大学の特別支援の状況が大きく変わり、海外での学会発表を含む研究全体の遅れが続いている。ただし、研究開始当初から大きく変わって発達障害の支援に関する他の研究事例の増加したことや、オンラインでの打ち合わせが可能になったことにより、インタビューデータの収集速度を上げて、遅れを取り戻すことができている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度第1クオーターにて、特性に応じた仮想ピアによる支援をベースとした自律的学習ツールのデザイン研究(設計段階)を教育工学会研究会にて発表する。この発表のフィードバックを踏まえて、第2クオーターの間に国際学会International Conference for Media in Educationにて実装およびパイロットスタディの結果を発表する。第3クオーターでは当該年度を含むこれまでの学会発表を国際誌論文投稿用原稿を作成し、第4クオーターで本研究の全体的なまとめを行う。
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