研究課題/領域番号 |
20K14114
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 金沢大学 (2021-2022) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
一方井 祐子 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (00709214)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クラウドサイエンス / 市民科学 / シチズンサイエンス / オープンサイエンス / 市民参加 / 共創 / クラウドソーシング |
研究開始時の研究の概要 |
シチズンサイエンスとは、科学者等の専門家と市民(非専門家)が協同して行う市民参加型の研究プロジェクトである。近年、日本でも萌芽的なプロジェクトが成果を出し始めた。欧米の「Citizen science」には、科学研究を目的とする「シチズンサイエンス」と、社会課題解決を目的とする「市民科学」の両方の要素が含まれることが多いが、日本では両者の分断が見られる。そこで本研究では、日本でシチズンサイエンスと市民科学が分断される原因の解明、およびシチズンサイエンスと市民科学の統合に向けた理論枠組みを構築し、今後の実践に役立てる。
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研究実績の概要 |
欧米を中心に、日本でもcitizen science(シチズンサイエンス)が広まりつつある。欧米と日本ではシチズンサイエンスに対する意識が異なる可能性がある。Citizen scienceには様々な定義があるが、一般的には科学者等の専門家と市民(非専門家)が協同して行う市民参加型の研究プロジェクトとされる。欧米の「Citizen science」には、科学研究が目的の「シチズンサイエンス」と、社会課題解決が目的の「市民科学」の両方の要素が含まれる。しかし、日本の「シチズンサイエンス」には「市民科学」の要素は含まれないことが多い。両者は異なるものとみなされ、大きく分断されている可能性がある。 そこで本研究の目的は、日本でシチズンサイエンス(主に市民が主導し社会課題的解決を目的とするもの)と市民科学(主に科学者が主導し科学研究を目的とするもの)が分断される原因の解明し、およびシチズンサイエンスと市民科学の統合に向けた理論枠組みを構築し、今後の実践に役立てることである。 本年度はまず、前年度からの継続事項として、文献調査・ウェブ調査を中心に国内外の市民科学/シチズンサイエンスの事例収集を広く行った。次に、国内の対象プロジェクト(雷雲プロジェクト、ナメクジ捜査網、みんなで翻刻など)について、主催者インタビュー、参加者インタビュー、関係者との意見交換、プロジェクトの参与観察を実施し、各プロジェクトの実施体制や参加方法の仕組みと課題、活動によって生み出される価値を整理し、その内容について他の研究者との議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国外の市民科学/シチズンサイエンスの主催者への対面インタビュー調査と実地調査を予定していたが、コロナ禍により一時延期中である。次年度に対面インタビュー調査(もしくはオンライン調査に変更)と現地調査を実施予定であるが、状況によって柔軟に対応する。
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今後の研究の推進方策 |
国内の市民科学/シチズンサイエンスの事例収集を行い、これまでに得たデータをリスト化する。国内プロジェクトの主催者インタビュー調査と参与観察についても継続実施し、これまでに得た質的データを「包括性」「貢献性」「双方向性」の3つの要素から分析する。これらの結果に基づき、一般市民を対象にした国際アンケート調査を設計し、市民科学/シチズンサイエンスに対する意識の国際比較や研究者と市民の間の意識のギャップを可視化する。シチズンサイエンスと市民科学の統合に向けた理論枠組みの構築を目指す。
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