研究課題/領域番号 |
20K14128
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田中 早苗 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (80811372)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | UCLA PEERS / 友人関係 / 学校 / 自己理解 / 自閉スペクトラム症 / UCLA[PEERS] |
研究開始時の研究の概要 |
思春期の自閉スペクトラム症の児童生徒を対象に開発されたPEERS School-Based(Laugeson,2014)を日本の学校現場において実施し、社会性や友達作りのスキルが向上するかどうか、効果の持続性と共に検証する。またこれらと児童生徒の自己理解や自己肯定感、登校状況および実施した教師の児童生徒理解との関連を調べ、学校教育現場におけるソーシャルスキルトレーニングを用いた教育と科学の連携体制の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、PEERSプログラム学校版を学校現場において実施し、社会性や友達作りのスキルが向上するかどうか、効果の持続性と共に検証する。2023年度は、2022年度にプログラムに参加した児童生徒とその保護者へのフォローアップとして適応行動や認知特性等の評価および質問紙、インタビューを実施し、効果の持続について検証を行った。また、地域に根差した社会実装を推進することを目的として、教育委員会、中学校との連携を継続し、学校という教育現場でプログラムを実施する際の工夫について話し合うなど、情報交換を行った。 また、2021年度から2023年春までに収集できたデータについてまとめ、研究参加者の友達作りに関連する社会的な知識やスキルの向上が認められたため、中間報告として国際学会にて発表した。 2023年末までに、一部の参加者を除きフォローアップ時の質問紙への回答を全て回収した。全ての収集されたデータについてまとめ、PEERSプログラム学校版の効果検証の成果は、2024年度の国内外の学会や学術雑誌にて発表予定である。 加えて、PEERSでソーシャルスキルを学ぶために欠かせないロールプレイについて、UCLAで作成されている参考動画があるが、こちらについて、開発者の許可を得てその日本語吹き替え版を作成した。動画はUCLA Semel Institute for Neuroscience and Human BehaviorのPEERS Clinicのページで公開され、誰でも閲覧が可能である。また研究分担者のホームページ上でも公開している。実施地域より住居が遠いなどによりプログラムに直接参加できる人が限られる中、誰でも参照できるわかりやすいツールは、このプログラムで学ぼうとする幅広い人たちにとって有用なリソースとなると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データの解析とまとめを行なっており、成果発表に向けて順調に準備を進めている。一方、社会実装の推進については、2023年度は実施予定校の移転が重なり、現場の状況が新たなプログラム実施にそぐわない状況だったため、2024年度以降の実施に向けた準備期間とし、関係者との連携を継続した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、これまでに得られたデータを分析し、より効果的で適切な参加者募集や対象者に合わせた実施の際の教材の工夫へ繋げる。日本の思春期、青年期の若者への調査を追加し、その結果をもとに、日本の若者によりフィットした形でのプログラム実施を目指す。また、2024年度以降は、学校でプログラムが継続して実施されるシステム構築を将来的な目標として、現場での実施を継続し、実施スタッフの育成や、現場で受け入れられやすい形の実施について、関係者と協力し検討する。
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