研究課題/領域番号 |
20K14128
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田中 早苗 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 協力研究員 (80811372)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | UCLA PEERS / 友人関係 / 学校 / 自己理解 / 自閉スペクトラム症 / UCLA[PEERS] |
研究開始時の研究の概要 |
思春期の自閉スペクトラム症の児童生徒を対象に開発されたPEERS School-Based(Laugeson,2014)を日本の学校現場において実施し、社会性や友達作りのスキルが向上するかどうか、効果の持続性と共に検証する。またこれらと児童生徒の自己理解や自己肯定感、登校状況および実施した教師の児童生徒理解との関連を調べ、学校教育現場におけるソーシャルスキルトレーニングを用いた教育と科学の連携体制の構築を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究では、PEERSプログラム学校版を学校現場において実施し、社会性や友達作りのスキルが向上するかどうか、効果の持続性と合わせて検証する。2022年度は2021年度に引き続き、研究協力体制にある自治体において研究参加に同意を得られた研究参加者27名の児童生徒に、PEERSプログラム学校版の16セッションを実施し、事後評価を行なった。また、2021年度にプログラムに参加した児童生徒とその保護者へのフォローアップとして適応行動や認知特性等の評価および質問紙、インタビューを実施した。今後、2023年度には、2022年度に参加した27名のフォローアップ評価を行い、効果の持続について検証する。 プログラムに参加した40名の介入前後の評価項目のスコアを比較したところ、社会的認知や動機づけ、コミュニケーション、友達作りに関するソーシャルスキル知識が向上し、ASDの行動様式が緩和された。本研究の中間発表を2022年10月の日本LD学会シンポジウムにて行っており、また2023年度に開催される国内外の学術集会にて発表予定である。 児童生徒の学校での様子の観察や保護者、担任からの報告により、実際の場面で友達との関わりの様子に改善が見られている。日本の学校で本プログラムを適切に実施するための環境設定や教示の工夫についても確認された。今後、フォローアップ時の効果の持続や自己理解の様子の変容の有無も含め、本プログラムの日本における有効性を分析する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
介入2年目のプログラム実施およびデータ収集は予定通り行われている。また介入1年目の参加者に対するフォローアップ評価も実施した。評価項目のスコアの分析を進めており、また、得られたインタビューデータの文字起こしを行った。プログラムはほとんどの学校で教職員との協働で進められたが、1年目に教職員の参加が見学のみにとどまった学校は、2年目も同様となった。それでもより多くの教職員が見学参加し、関心の高まりや情報共有などの交流も見られた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、2022年度のプログラム参加者のフォローアップ評価を実施する。適応行動尺度や質問紙の介入前後のスコアや自己理解インタビューの回答を比較し、日本の小中学校におけるPEERSプログラム学校版の有効性を検証する。さらにこれらの成果について論文化及び学会発表を行う。
|