研究課題/領域番号 |
20K14131
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
平川 真 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 講師 (50758133)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | コミュニケーション / 間接的要求 / 言外の意味 / 解釈についての信念 / 間接的発話行為 / 発話理解 / 話し手と聞き手の相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
ことばを用いたコミュニケーションでは、伝達される情報が発話に含まれないことが多い。このような言外の意味を利用したコミュニケーションは、我々の日常生活において、どのような過程によって可能になっているのであろうか。本研究では、言外の意味を利用したコミュニケーションの典型例である間接的要求を対象とし、聞き手の解釈について話し手がもつ信念 (以下、解釈についての信念) に着目し、他者と意味の共有がどのようにして可能となっているのかを検討する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、言外の意味を用いたコミュニケーションの例として、間接的要求をとりあげ、聞き手の解釈について話し手がもつ信念(以下、解釈についての信念)に着目して、コミュニケーションの成立について検討するものである。 2022年度は、解釈についての信念を測定し、実際の解釈率とのずれを評価した。解釈についての信念とは、たとえば「冷房をつけて」という要求の意味で「この部屋暑いね」と発話した際に、「聞き手は冷房をつけてと理解するだろう」と考えることに相当し、自分の発話に対する聞き手の解釈についての信念を指す。この解釈についての信念を、呈示した会話20場面それぞれについて「そのように解釈する人は世間一般にどれくらいいると思いますか」と%を評価してもらうことで測定した。なお、呈示した会話場面については、2021年度に実際の解釈率、すなわち、その会話場面でなされている間接的要求を要求として解釈する比率を得ている。 各会話場面について、「解釈についての信念」の平均値と「実際の解釈率」の相関係数を求めたところ、両者の相関はr = .98であり、「解釈についての信念」と「実際の解釈率」には、強い関連があることが明らかとなった。一方で、「解釈についての信念」と「実際の解釈率」は系統的なズレがあり、実際の解釈率が低い場面ではその慣習性が過大評価され、実際の解釈率が高い場面では過小評価されることが明らかとなった。 ただし、この系統的なズレについては、解釈についての信念の測定方法によって生じている可能性がある。具体的には、参加者は各場面において、「要求の意味を解釈する人の比率」について、必ず答えるよう求められており、「わからない」と判断した場合にを参加者が表明できるように設計されていなかった。わからない場合に50%を選ぶことによって、この系統的なズレが生じている可能性が考えられるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度、2021年度に、新型コロナウィルス感染拡大による通常以上の業務が発生したため、エフォートを予定通りに割くことができていない。2022年度は、解釈についての信念のずれについて検討を行うことができたが、当初の予定に比べれば進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に取得したデータの解析を行い、解釈についての信念のズレについて個人レベルの検討を行う。また、解釈についての期待と聞き手の反応が異なっていた場合の話し手の認知・感情・行動意図について検討を行う。
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