研究課題/領域番号 |
20K14132
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
|
研究機関 | 京都外国語大学 (2021-2022) 鹿児島大学 (2020) |
研究代表者 |
稲垣 勉 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30584586)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 潜在的シャイネス / 顕在的シャイネス / WillingnessToCommunicate / 構成的グループ・エンカウンター / 潜在連合テスト / 低減効果 / 持続性 / シャイネスの改善意欲 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,潜在的シャイネスを低減させる手法の同定と,低減効果の継続性の検討を行う。申請者はこれまで,潜在連合テストを用いて測定した潜在的シャイネスが,対人場面における赤面や緊張といった指標と関連があることを見出した。また,ソーシャルスキル・トレーニングや対概念の活性化と自己との連合強化などの手法により,シャイネスが低減する可能性を示した。本研究では,介入前に参加者のシャイネスによる対人関係の困難感やシャイネス変容への動機づけを含めて測定することで,介入が奏功する条件も含め,適切な介入手法を明らかにすることをめざす。
|
研究実績の概要 |
本研究は,自己報告によらない手法である潜在連合テストで測定される「潜在的シャイネス」を低減させる手法を同定するほか,その低減効果がどの程度持続するのかを検討することを目指している。 これまで,コロナ禍にあって対面を前提としていた各種実験が実施できずにいたが,その影響が少しずつ改善してきたことにより,当初予定していた介入を伴う実験の一つを開始することができた。たとえば,顕在的シャイネスには影響を及ぼすことが確認されている構成的グループ・エンカウンターが,潜在的シャイネスにも影響を及ぼすか否かを検討する実験を開始できた。しかしながら,現時点では参加者数が十分ではなく,継続したデータ収集が必要である。 その他,昨年度と同様に,コロナ禍においても実施可能な調査・実験の方法をもとに,新たなデータを収集したり,これまでの研究成果を公表したりすることができた。 例を挙げると,第2言語のスキル上昇を目指す集中講義の受講の前後において,顕在的・潜在的シャイネスが変容するか否かを検討することができた。平均値のレベルでは顕在的・潜在的シャイネスのいずれも変容しなかったが,個人レベルでは特に潜在的シャイネスの変化にばらつきがあることが分かり,介入が効果を持ちやすい場合とそうでない場合があることが示唆された。また,顕在的・潜在的シャイネスが第2言語におけるWillingness To Communicate(WTC)に及ぼす影響を検討した結果,WTCには顕在的シャイネスよりも潜在的シャイネスの方が影響を及ぼしていることを確認できた。すなわち,潜在的シャイネスを低減させることにより,第2言語におけるWTCを高められる可能性が示された。 上記の他,シンポジウムにおける話題提供などを通じて,本研究の成果やコロナ禍における調査・実験の工夫等について,情報を発信することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画に比べて,研究は遅れている。しかし,当初に計画していなかった調査・実験を新たに行うことができ,変容可能性について示唆を得る結果も得られている。研究期間を1年延長し,当初に計画していた介入実験を進め,成果をまとめる計画である。
|
今後の研究の推進方策 |
1年間の延長を行うこととしたため,最終年度は,当初予定していた構成的グループ・エンカウンターおよび対概念の活性化を用いた介入実験を中心に進めていく予定である。春学期・秋学期にそれぞれ介入実験を一つ行うとともに,フォローアップ調査(介入効果の持続可能性の検討)を行う計画である。
|