研究課題/領域番号 |
20K14139
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
津村 健太 帝京大学, 理工学部, 講師 (10804396)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 社会的排斥 / 目撃者 / 罪悪感 / 援助行動 / 仲間はずれ / 無視 / WorkplaceOstracismScale / 職場における排斥 |
研究開始時の研究の概要 |
社会的なつながりの欠如(社会的排斥)は、心身にさまざまな問題を引き起こすため、排斥された後には社会的なつながりの再獲得が重要である。しかし、排斥された人が自ら社会的つながりを得るのが困難な場合もあり、その場合には社会的つながりを得られるように第三者(つまり目撃者)が被排斥者を援助する必要がある。 本研究は、排斥場面の目撃者が、自身による行為でないにも関わらず罪悪感を抱くことで、被排斥者に対して援助行動を取るようになるのか、検討することを目的とする。本研究の成果は、現実社会においても問題となることが多い無視、仲間はずれにおいて、問題解決(目撃者の傍観者化の抑止)の進展に寄与すると期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は、社会的排斥の目撃者が罪悪感を抱くことで、被排斥者に対して援助行動を取るようになるのか、検討することを目的とした。 Web上で複数のシナリオ実験を実施した結果、社会的排斥場面を目撃した参加者の方が、罪悪感および恥を抱く程度が高かった。加えて、恥を感じると援助行動が抑制され、罪悪感を抱くと援助行動が促進される可能性が示唆された。 さらに本研究では、排斥の問題を考える上で重要な場面となる職場での排斥についても検討するため、Workplace Ostracism Scale日本語版を作成した。3件の質問紙調査の結果、WOS日本語版の妥当性を示すデータが得られたと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
排斥は、心身の不適応や所属欲求への脅威をもたらす。そのため被排斥者は、再び人とのつながりを得る再親和を果たそうとする。しかし、被排斥者において無力感や抑うつが生じ、再親和への動機づけが失われてしまうなど、被排斥者自身で社会的つながりを得るのが困難である場合もある。そこで、排斥場面の目撃者による被排斥者への援助行動を可能にする要因を検討する必要がある。これまでの研究では、主に目撃者の個人差(共感性)に着目していた。本研究では、目撃者の共感性に依らず、罪悪感を抱かせる(あるいは恥を抑制する)ことで被排斥者への援助行動を促進できる可能性が示された点が、意義と言える。
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