研究課題/領域番号 |
20K14149
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
伊崎 翼 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 産総研特別研究員 (00868284)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 動脈血圧反射 / 社会的痛み / 注意配分 / 攻撃反応 / 社会的排斥 / ネックチャンバー法 / 事象関連電位 / 血圧情報 / 動脈圧受容器反射 / IAPS |
研究開始時の研究の概要 |
所属する社会集団から無視されたり拒絶されたりする経験 (社会的排斥) をすると,社会的痛みと呼ばれる精神的な苦痛が生じる。本研究は,血圧を調節する仕組みである動脈血圧反射が,社会的排斥によって生じる社会的痛みを抑制するという仮説を立て,これを検証することを目的とする。 本研究は,社会的排斥という状況が要因となって生じる精神的な苦痛の抑制に,動脈血圧反射という身体情報が関与する可能性について検討する最初の研究であり,今後の社会的排斥研究や,社会的痛みのコントロール方法の開発等への貢献が期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では,血圧を調節する仕組みである動脈血圧反射が,社会的排斥(仲間はずれ)により生じる社会的痛みを緩和するという仮説を検証した。3つの実験より,ネックチャンバー法により実験的に誘発した動脈血圧反射が,1) 社会的排斥(仲間はずれ)を経験する中で生じる心理的な苦痛つまり社会的痛みを緩和すること,2) 社会的痛みに加えて,排斥経験に対する攻撃反応を抑制すること,3) 不快刺激に対して配分される注意量を減少させることを発見した。これらより,動脈血圧反射は社会的排斥により生じる社会的痛みや,その後の攻撃反応を抑制すること,そしてその背景には刺激に対する注意配分の変調が関わっていることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,動脈血圧反射という身体情報が,人間関係の中で生じる心理社会的な痛みや行動に対して影響を及ぼすことを示した最初の研究であり,今後の社会的排斥研究の発展やや社会的痛みのコントロール方法の開発等への貢献が期待される。これまで,社会的痛みの軽減に関する研究は様々行われてきた一方で,社会的痛みを緩和する実用的な方法は未だ確立されていない。本研究結果は,動脈血圧反射を誘発するデバイスなど,生理学的システムに基づいた社会的痛みの緩和する新しい実現可能な方法の手がかりを提供する。
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