研究課題/領域番号 |
20K14160
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
森 兼隆 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (70837202)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 算数文章題 / 統合過程 / エピソード・バッファ / 作動記憶 / エピソードバッファ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、図を伴う算数文章題解決を用い、私たちが言語的情報と視覚的情報とを結びつける際の認知的な働きを明らかにすることである。 何らかの問題解決では言語的な情報だけ、または視覚的な情報だけではなく、複合的な情報の結びつけが必要になる。しかしながら、複合的な情報を扱う問題解決の理解過程は明らかになっていない。 そこで本研究では、言語的情報と視覚的情報の両方を要求する図を伴う算数文章題を利用する。この問題を解く際の、作動記憶内で複合的な情報の保持に関わるエピソードバッファの働きを明らかにすることで、私達が複合的な情報から理解を構成する際の認知的な働きを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、図を伴う算数文章題解決を用いて言語的情報と視覚的情報の統合過程の認知メカニズムを明らかにすることを目的としている。そのために、参加者に対して図を伴う算数文章題の解決を求め、問題解決時に必要とされた時間を測定する実験を行うことを計画している。また、作動記憶課題、特にエピソード・バッファに関する課題成績と問題解決時間との関連性の検討を行う。 実験では実験刺激を作成するためのソフトウェアや刺激を提示・反応の測定を行う装置などが必要となるため、実験実施に必要な環境の整備を行い、図を伴う算数文章題解決の解決時間のおよびエピソード・バッファに関する課題成績の測定を行うことを計画していた。 前年度から図を伴う算数文章題の解決および,言語的情報と視覚的情報のどちらか,もしくは両方を保持する課題に関する実験を実施していた。2023年度にはそのデータの分析をすすめ,図をともなう文章題解決時の言語的情報および視覚的情報をどのように用いるのかについて検討を行った(研究1)。 また,アイトラッカーを用いて図を伴う算数文章題解決時の注視パターンの測定を行うための実験プログラムを作成をすすめ,実験を開始し,データの収集を行っている(研究2)。 図を伴う算数文章題の解決時の解決時間と作動記憶課題との関連の分析(研究1)の結果に関しては,日本心理学会第87回大会においてポスター発表を行った。 また,国際学会(EARLI2023)に参加し,近年の教育分野における課題,特に,ワーキングメモリと関連する課題について最新情報の収集をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
図を伴う算数文章題の解決を求める課題を行い、問題解決の時間と、作動記憶に関する課題成績との関連を検討するための実験については、データの分析を行い一定の進捗があった。また,アイトラッカーを用いて注視パターンに基づく検討を行うための実験も開始している。しかしながら、検討をおこなうために十分なデータを取得できておらず,結果を報告する状況にはいたっていないため,やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
アイトラッカーを利用し、注視パターンに基づいて言語的情報と視覚的情報を利用した問題解決プロセスについて検討をすすめるため,実験の実施を継続し,分析をすすめる。
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