研究課題/領域番号 |
20K14163
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
春日 秀朗 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70760239)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 親からの期待 / 青年期 / 親子関係 / 精神的健康 / 家族心理学 / 青年心理学 / 医学部生 / 親の期待 / 意味づけ / 適応 / 混合研究法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、子が、親からの期待に応えないという行動を主体的に選択し、肯定的に意味づけていく発達の過程を描き出すことを目的とする。青年期後期に、親の期待と自身の希望の間での葛藤を経て、期待回避行動を確立することは、その後の人生の適応と自立に繋がる。しかし日本において、期待回避行動は「期待に応えられなかった」という否定的な意味合いを持つため、選択が困難であるばかりか、選択しても精神的健康を害する場合がある。本研究は、子が期待に対する行動をどのように決定し、意味づけていくのかについて明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、以下の2つの成果が得られた。一つ目は、親からの期待が問題になるときの要因の一つは、全体的な親子関係の良し悪しというよりも、子どもが親から承認され、応援されているという感覚が得られないことであった。二つ目に、親からの期待に対する否定的な行動をとることは、子ども自身にとっても後悔の対象であり否定的に受け止められがちであるが、キャリアを主体的に決定しているという感覚によって否定的な受け止め方が低下することが示された。以上から、親からの期待を巡る問題を子どもの視点から解決する際には、親からの承認を得られなかったことへの納得、キャリアの主体的決定感の養成が重要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来は、親の期待が子どもにとって問題となるときには親が変わることの重要性が指摘されることが多く、子ども自身がどのように受け止めているのか、また子ども自身が実行可能な対処は何があるのかについてわかっていることは少なかった。本研究では、子どもが親から否定されず、承認されたという感覚が子どもにとって重要であることを抽出することで、期待が問題となるメカニズムの一端を明らかにするとともに、主体的に物事を決定したという感覚の養成という、子ども自身の認知的傾向の獲得によって問題の解消・低減が可能であることを明らかにし、総合的なモデルを作成した点に本研究の意義がある。
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